2014 Fiscal Year Annual Research Report
人為的piRNA誘導システムによるDNAメチル化制御
Project/Area Number |
13J06162
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 大介 大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | DNAメチル化 / 精子形成 / piRNA / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
piRNA (PIWI-interacting RNA)は、長さ25-31塩基長程度の小分子RNAであり、胎仔期雄性生殖細胞においてDNAのメチル化を介したレトロトランスポゾン遺伝子の抑制に寄与している。前年度、当研究者はこのpiRNAを人為的に産生し、標的遺伝子をDNAのメチル化によって抑制するシステムを確立した。本年度は、このシステムを用いて1)精子形成過程で発現する遺伝子の機能解析、および2)エピジェネティック遺伝、という2つの研究テーマに着手した。 精子形成過程では、ゲノムDNAのエピジェネティックな状態がダイナミックに変化することが知られている。このエピジェネティック修飾の精子形成における役割を明らかにするため、ヒストンH3K4メチル化酵素であるMLL1(Mixed lineage leukemia 1)に対してpiRNAを産生するトランスジェニックマウスを作製した。詳細な解析から、このトランスジェニックマウスでは精子形成の障害と、次世代の仔の発生異常が生じることが示された。以上の結果は、ヒストンH3K4のメチル化パターンの確立が雄性生殖細胞の発生に必須であり、その異常が次世代の発生に影響し得る事を示唆している。 エピジェネティック遺伝とは、生殖細胞のエピゲノム異常が次世代に伝播し、その表現型に何らかの影響を与えるという現象の事を指す。しかしながら、適切な実験系が存在しないため、エピジェネティック異常と、表現型異常の因果関係は不明なままである。当該研究者は、上記の人為的piRNA-メチル化誘導システムを用い、この現象に新たな知見を与えようと試みた。本年度は、モデル遺伝子として初期発生に重要なPeg10(Paternally expressed gene 10)と、家族性大腸がんの原因因子として考えられているMsh2(Mut S homolog 2)に対してpiRNAを産生するマウスを作製した。現在、これらのマウスの解析をおこなっている最中である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)