2013 Fiscal Year Annual Research Report
MYS-1/TRR-1 HAT複合体による新たな寿命制御機構の解明
Project/Area Number |
13J06228
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 貴子 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 寿命 / 線虫 / MYS-1/TRR-1 HAT複合体 |
Research Abstract |
老化現象はあらゆる生物種において見られる現象であり、そのプロセスの解明は古くから多くの研究者が取り組んできた。近年、「老化に伴う疾患の予防および治療への応用」を目的に精力的な研究が進められており、高齢社会と言われる我が国においては今後益々、研究成果が期待される分野の一つである。これまで、転写因子やシグナル伝達分子など寿命制御に関わる種々の分子が同定されてきた。しかし、寿命がどのように制御されているのか、明らかにされていない事は多い。私は寿命研究に有用なモデル生物である線虫を用いて、MYS-1/TRR-1 HAT複合体による寿命制御の分子機構の解明を行っている。まず私はMYS-1/TRR-1 HAT複合体が寿命に与える影響を検討するために寿命の測定を行った。さらに、寿命制御の分子機構をより詳細に検討するために、イムノブロッティングによるタンパク質の発現変化やqRT-PCRによる遺伝子の発現変化をみた。また、網羅的に遺伝子発現の変化をみるために、マイクロアレイ法による解析を行った。様々な角度から検討した結果、MYS-1/TRR-1 HAT複合体が寿命制御に重要であることが明らかとなった。これまで、本複合体による寿命制御への関与は明らかにされていなかったことから、本研究で得られた知見は新たな寿命制御の分子メカニズムを明らかにしたという点で非常に意義深いと考える。また、MYS-1/TRR-1 HAT複合体は線虫から人にまで幅広く保存されることから、本研究で明らかとなった寿命制御機構が進化的に保存された重要な機構であることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
寿命制御に関わる新たな分子機構を明らかにできたから
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Strategy for Future Research Activity |
エピジェネティックな遺伝子発現変化と寿命の関係をより詳細に明らかにする事を目指す。
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