2014 Fiscal Year Annual Research Report
家族関係と幸福度に関する大規模サーベイデータを用いた実証分析
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13J06294
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊角 彩 大阪大学, 国際公共政策研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 幸福度 / 生活満足度 / ウェルビーイング / 家族関係 / 若者 / 高齢者 / 子育て / 子育て支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
家族内の人間関係が幸福度にどのような影響を与えるかを明らかにすることを目的とし、様々なデータを利用して実証研究を実施した。最終度である本年度は、昨年度に焦点を当てた若者と高齢者における家族関係と幸福度の関係に加え、子育て期にある親の幸福度にも注目して、計量分析を行った。 まず高齢者の生活満足度に関する研究では、昨年度に行った研究で用いた手法を見直し、再度推計を行った結果、子との同居が高齢者の生活満足度に負の影響を与えることが示された。さらに高齢者の性別ごとに同様の分析を行ったところ、男性高齢者、とくに息子と同居している男性高齢者にとって、子との同居は生活満足度を低下させることがわかった。一方、女性高齢者に対しては、子との同居が生活満足度に与える影響は統計的説明力を持たなかった。 子育てに関する研究としては、昨年度のアメリカ訪問から学んだことを活かして、幼少期の子どもを持つ親のウェルビーイングに注目し、子育て支援プログラムが親のウェルビーイングの向上や子どもの問題行動の軽減に対して効果的かどうかについて検討した。効果測定の対象となったプログラムは神奈川県茅ヶ崎市によって、3-12歳の子どもを持ち子育てに悩んでいる市内在住の親を対象に実施されているものである。分析結果からは、この子育て支援プログラムは、子どもの問題行動(感情的な問題を除く)の軽減や夫婦満足度の向上に効果的であることが示され、アメリカで同カリキュラムを用いたプログラムの効果と共通していることが明らかとなった。これらの研究で得られた分析結果をもとに、家族が強い絆と将来への希望をもつことのできる社会を目指すための政策的インプリケーションを提示することができた。 また、今年度のアメリカ訪問では、子育て支援プログラムの評価に関する共同研究のために、現地の研究者にインタビューを行い、研究デザインに関して指導や助言を受けた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)