2013 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザの行動モデルに基づく検索意図推定に関する研究
Project/Area Number |
13J06404
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅本 和俊 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 検索意図 / 情報検索 / 視線情報 / 検索行動 |
Research Abstract |
本研究では, Web検索時におけるユーザの多様で複雑な検索意図とその下で行われる検索行動との関係性を理解することを目的としており, 本年度は下記の3つのテーマに取り組んだ. (1)視線情報からの注目語抽出に基づくユーザ固有な意図の発見 商品の購入や観光の計画に関する検索の場合, たとえ類似のクエリが入力されたとしても, 興味を惹く情報はユーザごとに大きく異なる. 本研究では, このような各ユーザに固有な意図をオンライン推定することで, コンテキストを考慮した検索支援を行うことを目的とする. 提案手法は, Web検索時のユーザの視線の動きから各ページ中の注目語を抽出することでユーザ固有な意図の発見を試みる. 本年度は, 過去に行った実験における各手法の抽出結果に対して, 定量的および定性的な観点から追加の分析を行い, その成果を国内論文誌に発表した. (2)現在の検索における行動情報を用いた後続の検索範囲の変化の予測 複数回の検索を必要とする複雑な検索タスクにおいては, 検索の対象範囲が時々刻々と変化し得る. 本研究では, 現在の検索行動から次の検索クエリの修正タイプを予測するという問題に取り組む. この問題の解決によって, 後続の検索範囲の事前予測に基づくクエリ推薦などといった応用が可能となる. 本年度では, 評価実験中でのデータの少なさを補うことを目的として, 一般公開されている検索行動ログデータを用いて, ユーザの特性やタスクの性質が検索行動に与える影響の分析を行った. その成果は今年度発行の国内論文誌に掲載された. (3)ユーザの属性が検索の満足度に与える影響の分析 同一のタスクに関する検索であっても, 最終的な満足度に影響を与える要因はユーザ間で異なることが予想される. 本研究では, ユーザの属性として検索専門性とドメイン知識の2種類に着目し, これらの属性の有無がユーザの満足度の形成過程に与える影響を調査する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の前半では, 研究目的である「検索行動と検索意図の関係性理解」の達成に向けて, (1)ユーザ固有な意図の発見と (2)変化する意図の検出という2つのテーマに取り組み, それぞれの研究成果を国内論文誌に発表することができた. また, 後半からは別のテーマとして (3)同一意図の下での最終成果に対するユーザの認知に関する研究に取り組み出しており, 現時点では成果を発表できていないものの, いくつかの興味深い結果が得られている, 以上の理由から, 当初の計画に対しておおむね順調に研究が進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は, 本年度後半より取り組み出したテーマである ; 同一意図の下での最終に対するユーザの認知に関する研究を継続し, その成果を発表することに努める予定である. また, 本年度の研究では, 過去の実験データや一般公開されているログデータを対象とした分析を行ったが, 当初の計画で予定していた, ユーザ実験による検索行動データの収集とその公開についても, 来年度以降での実施を積極的に検討していきたい.
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