2014 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザの行動モデルに基づく検索意図推定に関する研究
Project/Area Number |
13J06404
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅本 和俊 京都大学, 情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 検索意図 / ユーザ専門性 / タスク満足度 / 検索行動 / 情報検索 / モバイル / 情報管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,「ユーザの行動モデルに基づく検索意図推定」に関する研究の遂行にあたって,以下の2つの課題に取り組んだ. (1)ユーザの専門性が検索タスクに対する満足度に与える影響の分析 本課題の目的は,検索タスクに対するユーザの満足度の形成過程に影響を与える要因を明らかにすることである.本研究では,検索システムに対する専門性(検索専門性)および検索ドメインに対する専門性(ドメイン専門性)という2種類のユーザ属性に着目し,検索行動とタスク満足度の関係性を調査した.複数の答えが存在する事実発見型タスクにおけるユーザの検索行動を分析した結果,「検索専門性の有無によって,満足度と強く相関する特徴量や答えの発見後のユーザの検索行動が異なる」ことが判明した. (2)モバイル環境におけるアプリケーション非依存の情報管理方式の提案 スマートフォンやタブレットといったモバイル端末の急速な普及にともない,モバイル環境におけるユーザの情報探索行動の理解,およびモバイル環境に特化した情報管理方式の確立といった新たな研究領域に注目が集まっている.Web情報へのアクセスの多くが単一のブラウザを起点にして行われるPCとは対照的に,モバイル端末では目的や状況に応じて異なるアプリケーションが用いられる.閲覧内容の管理機能の実装は開発者に一任されており,個々のアプリケーションがそれぞれ異なる機能を提供しているため,モバイル端末上でユーザが保存した情報はアプリケーションごとに散在してしまうという問題が存在する.この問題に対する解決策として,本研究では,アプリケーションに依存しないユニバーサルな情報管理方式を提案し,精度およびユーザビリティの双方の観点からその有用性を示した.本研究は,中国のマイクロソフトリサーチアジアに滞在中に同機関の研究者と共同で行ったものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,「検索行動と満足度の関係性の理解」に関する研究を前年度に引き続いて行い,その研究成果を論文誌1件に発表することができた.また,同年度6月からの半年間にわたって,中国のマイクロソフトリサーチアジアにて行った「モバイル環境における情報検索および管理」に関する研究についても,同機関の共同研究者から高い評価を受けた.以上より,本研究課題の達成度は,「おおむね順調に進展している」といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は,ユーザの検索行動と検索終了との関係性の解明に取り組む予定である.その遂行にあたって,実ユーザの検索行動の収集および公開についても,同年度での実施を検討していきたい.また,国際会議や論文誌への採録が叶わなかった本年度の研究課題も含め,来年度も引き続き,積極的に論文を投稿する予定である.
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