2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J06412
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲葉 真史 大阪大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2016-03-31
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Keywords | ニワトリ / 羽 / パターン形成 / ギャップ結合 / カルシウムシグナル / エレクトロポレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ニワトリの羽原基形成過程におけるチャネル分子の役割を調べ、等間隔パターンが生み出される原理を理解することを目的とする。羽原基で発現するチャネル遺伝子を抑制するために、まずは遺伝子導入の条件検討を行った。胚の皮膚切片に対して蛍光遺伝子をエレクトロポレーション法によって導入したところ、羽原基の表皮層では2割ほどの細胞で蛍光シグナルが検出されたが、真皮層ではほとんど確認出来なかった。そこで手法を変えて、真皮細胞の元となる前体節中胚葉に対してエレクトロポレーションを行った。その結果、羽原基を含む背側の真皮細胞で蛍光シグナルを確認した。つぎに、阻害剤実験から重要であると考えられているコネキシンのドミナントネガティブ変異体(dnCx43)を強制発現させた。これまでに既知のドミナントネガティブ型を3種類発現させたが、阻害剤実験で見られたような表現型は観察されていない。発現の量やタイミングについて検討する必要があると考えている。ギャップ結合の他に、カルシウムシグナルについても検討した。胚の皮膚切片培養に対してカルシウムチャネル阻害剤を投与したところ、隣接する羽原基が融合するというパターン変化を見出した。また蛍光カルシウムプローブGCaMP6の導入によって、羽原基形成過程の真皮細胞でカルシウム振動が確認された。本研究から、真皮細胞内のカルシウムシグナルは羽原基パターン形成に深く関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ギャップ結合の抑制実験において、明確な表現型が観察できていない状況である。しかしながら、カルシウムシグナルの重要性が阻害剤およびカルシウム濃度可視化の実験から新たに見出された。
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Strategy for Future Research Activity |
ギャップ結合抑制実験については、遺伝子の導入効率に問題がある可能性があるので、皮膚中の遺伝子導入箇所を詳細に検討する予定である。カルシウム振動については、振動を示す細胞の空間・時間分布を解析する予定である。また阻害剤存在下での解析も行い、羽原基パターン形成における役割を明らかにすることを目指す。
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Research Products
(1 results)