2013 Fiscal Year Annual Research Report
複数台ロボットによる半自律知的遠隔操作システムの開発
Project/Area Number |
13J06433
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
戸田 雄一郎 首都大学東京, システムデザイン研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 遠隔操作システム / 複数台移動ロボット / 3次元可視化システム / フォーメーション制御 |
Research Abstract |
今年度は、遠隔操作システムにおける①3次元可視化システムと②複数台移動ロボットにおけるフォーメーション制御を中心に研究し、その成果を論文として発表した。 研究①では、膨大な3次元点群データを高速かつ高精度に処理し、リアルタイムに操作者へ情報提示を行なうことに研究の意義がある。そこで、ViEW2013、IJCNN2013において、複数の異なる特徴量を含む3次元点群からの空間的な位相構造の学習手法の提案を行なった。本手法により、点群データを空間的な構造を保ったままダウンサンプリングが可能であり、学習した位相構造から特徴抽出が可能なことを示した。また、高速な3次元環境地図構築手法を実現するために、進化計算学会研究会では、誤対応点を多く含む画像間の対応関係から射影変換行列の推定を高速かつ安定的に行なうESSACを提案し、既存手法と比較することによってその有効性を示した。本手法は3次元環境地図構築だけではなく、様々な問題に対しても適応可能であり、本研究を進める上で非常に重要なアルゴリズムである。 研究②では、遠隔モニタリングにおいて、多角的な視点からの情報支援を行なう手法を確立することに研究の意義がある。そこで学術論文において、同一の地図を用いた進化計算に基づく初期位置同定手法に関する提案を行なった。本手法では、地図の解像度を自動で調整することが可能な手法を用いて、少ない繰り返し回数で初期位置同定が可能なことを示している。本手法により、フォーメーション制御に必要な各ロボットの相対位置を取得することが可能となり、本研究において非常に重要な内容となっている。また、ロボティクスシンポジアにおいて、遠隔操作システムに必要な各要素技術を適切に結びつけるため、3階層モデルに基づく制御アーキテクチャの提案を行ない、実環境においてもバネモデルを用いたフォーメーション制御が可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画は、(i)3次元可視化システムと(ii)シミュレーション環境内におけるフォーメーション構成の実現であった。(i)では、2次元地図と3次元地図を組み合わせることにより、精度・安定性の向上を実現する予定となっていたが、ESSACと呼ばれるロバスト推定法を提案することによって、3次元環境地図構築の安定性の向上や高速化を実現した結果、3次元可視化システムにおける問題点の解決することが可能となった。また、(ii)については、3階層の制御アーキテクチャを実現することによって、シミュレーション環境だけではなく、実環境においてのフォーメーション構成の実現を達成している。よって申請書の計画通り、おおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画として、(i)遠隔モニタリングのためのフォーメーション形成と(ii)操作者の意図を反映した知的遠隔操作インタフェースの開発を集中的に研究していく予定である。(i)においては、複数台ロボットによるモニタリング対象物の取り囲み位置の最適化手法の提案を行なっていく。(ii)においては、遠隔操作インタフェースのシステム的な完成度をあげるとともに、今後、操作者から操作パタンを抽出するためのシステムを組み込むことにより、知的遠隔操作インタフェース実現への準備をしていく予定である。
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