2014 Fiscal Year Annual Research Report
複数台ロボットによる半自律知的遠隔操作システムの開発
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13J06433
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
戸田 雄一郎 首都大学東京, システムデザイン研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 知能ロボティクス / 教師なし学習 / 進化計算 / マルチロボットシステム / 遠隔モニタリングシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、遠隔操作システムにおける複数台移動ロボットにおけるフォーメーション制御を中心に研究し、その成果を論文として発表した。 3次元可視化システムにでは、位相構造学習手法の一つであるGrowing Neural Gas (GNG)の安定性と収束性を向上させたBatch Learning GNG(BL-GNG)についての提案を行なった。従来手法では、逐次的に入力データを処理していくため、データの入力順によって結果が異なってしまうといった欠点が存在した。そこで、一括学習化を行っていくことにより定常的に位相構造を学習可能なアルゴリズムへの改良を行った。さらに、学習手法にファジィクラスタリングの目的関数を取り入れることによって安定性の向上も行っている。また、3次元可視化技術の一つである、Evolution Strategy Sample Consensusに関してもアルゴリズムの挙動解析を行い、国際学会において発表を行なった。 複数台移動ロボットにおけるフォーメーション制御に関する研究では、2つの国内学会において、遠隔モニタリングシステムにおける複数台ロボットの取り囲み位置決定手法に関する提案を行なった。本手法では、対象物取り囲みフォーメーションに関する定式化を行い、BL-GNGを用いることにより、ロボットの台数や対象物の形状に対してロバストな手法となっている。また本手法は、大域的なフォーメーション行動にも適用可能であり、本研究課題の核となる重要な内容となっているため、現在BL-GNGを複数の階層において学習を行うMultilayer BL-GNG(MBL-GNG)に関する研究を行っている。本手法は、子となる層の位相構造を親の層の学習結果を入力データとして用いることにより異なる粒度でデータの位相構造を学習可能なアルゴリズムとなっている。また、本手法はユーザが定義しなければならないパラメータが存在しないアルゴリズムとなっており、自動的に学習が可能なアルゴリズムとなっていることが一つの特徴である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度における研究課題は、遠隔モニタリングのための(i)フォーメーション形成の実現と(ii)操作者の意図を反映した知的遠隔操作インタフェースの開発であった。(i)に関しては、大域的かつ分散的な環境の可視化と局所的かつ集中的な環境の可視化の切り替えが可能なフォーメーション形成を行う手法として、データの確率密度分布から位相構造の学習が可能なBatch Learning Growing Neural Gas (BL-GNG)の提案を行い、局所的なフォーメーション形成である任意物体の取り囲みフォーメーションが可能であることを示した。本手法は入力データを変更することで、大域的なフォーメーション形成にも適用可能である。(ii)に関しては、今年度主目的として取り組むことはできなかったが、入力データから異なるスケールで特徴量やクラスタリング結果が抽出可能なMultilayer BL-GNGの提案を行い、設定パラメータなしの教師なし学習アルゴリズムを実現した。本アルゴリズムを操作入力に対して適用することで、操作者の操作パタンの抽出が可能となることが考えられる。これらのことから申請書の計画通り、おおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画として、操作者の意図を反映した知的遠隔操作インタフェースと全体システムの統合を集中的に取り組んでいく予定である。知的遠隔操作インタフェースにおいては、今年度提案を行った教師なし学習の手法を適用し、操作者から操作パタンの抽出を行なっていく予定である。さらに、抽出されたパタンからラベル付を行い、ロボットの行動制御に反映していくことで提案手法の実現を行なっていく。また、知的遠隔操作インタフェースの実現には、全体としての遠隔モニタリングシステムの完成度が大きく影響してくると考えられるため、ロボットの制御アーキテクチャを考慮しながら、全体システムの統合を行なっていく予定である。 また、今年度の研究課題として、OpenRTM-aistを用いた各技術のコンポーネント化も含まれている。現在、レーザレンジファインダを使用した2次元地図構築手法と自己位置推定手法に関しては、既にコンポーネント化している。その他の技術に関しても順次コンポーネント化を行なっていき、可能であれば公開していく予定である。
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