2014 Fiscal Year Annual Research Report
反応性成分を含む溶液中の弾性膜構造物群による熱物質輸送に関する数値的研究
Project/Area Number |
13J06473
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮内 優 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 数値シミュレーション / 流体構造連成問題 / 物質輸送 / 有限要素法 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体膜による物質輸送の定量的な予測は医療応用に関連して重要である。本研究では、流体と柔軟膜の相互作用問題に加えて濃度拡散、化学反応を扱うことができる計算手法の開発を目的とした。生体膜は流体力により容易に変形し、かつ、特定の物質のみを透過させる選択的透過性を有している。このような移動境界上に透過流束に関する条件を与える問題は難しく、未だその数値計算技術は発展途上である。本研究では膜の移動・大変形を取り扱うために膜形状に沿わない流体格子を用いた手法(界面非適合格子法)が有効であると考え、界面非適合格子法による手法の構築を行った。また、物質の膜透過に関して、膜表裏の圧力差と濃度差によって膜を透過する物質流束が生じるモデルを採用した。膜形状に沿わない流体格子で、流体変数(濃度、圧力、速度勾配)の不連続を考慮するために膜表裏の不連続量を組み込んだ有限要素離散式を提案した。この離散化法により、ひとつの流体要素内にシャープな不連続が再現可能となっている。さらに、その不連続量を陰的に扱うことにより、溶質の透過と不透過の両方の性質を示す膜を再現できる手法となっている。溶媒の透過と不透過に関しては検証問題によって提案手法の妥当性を確認し、既存の手法と比べることにより提案手法の優位性を示した。本研究では開発した手法は界面非適合格子法の枠組みで構築されており,柔軟な膜や複数の膜に対する扱いが容易であるといった特長を有する.さらに,溶媒・溶質の透過と不透過の両方を同じ計算アルゴリズムで扱うことのできる汎用性の高さを備えている.当初の計画予定である、化学反応の取り扱いおよび赤血球による物質輸送問題への適用までの研究遂行には至らなかったが、そのベースとなる手法を開発することはできた。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)