2013 Fiscal Year Annual Research Report
DBDプラズマアクチュエータを用いた翼周り剥離流れ制御の研究
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13J06482
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関本 諭志 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 流体制御 / プラズマアクチュエータ / ナノ秒パルス |
Research Abstract |
本研究は広いレイノルズ数領域において、包括的な剥離制御指針を示すことを主目的としており、25年度は高レイノルズ数領域への適用を目指して、ナノ秒パルスプラズマアクチュエータ(以下NSDBDアクチュエータ)の調査を中心に行った。内容は大きく「1 : NSDBDアクチュエータの誘起流れ場の可視化」「2 : NSDBDアクチュエータと従来のACDBDアクチュエータとの剥離制御性能比較」「3 : 高レイノルズ数流れにおける剥離制御実験の実施」の3つである。それぞれ成果は以下のとおりである。 1 : NSDBDプラズマアクチュエータは高レイノルズ数剥離流れに対し効果があると報告されており、シュリーレン可視化法により、NSDBDアクチュエータの誘起する流れ場の基本性質を調査した。結果、NSDBDアクチュエータからはACDBDアクチュエータのような壁面噴流が発生すると同時に、プラズマ領域から円柱状の圧縮波が発生することが確認された。この圧縮波が高レイノルズ数流れに対し効果を持つものと予測された。 2 : 低レイノルズ数剥離流れ(Re=63,000)において、NSDBDアクチュエータ及びACDBDアクチュエータによる制御を比較することにより、両者の違いを明確にし、高レイノルズ数流れへの適用に向けた知見の獲得を目的とした。結果、失速直後の迎角では両者による制御は非常によく似た性質を示したが、より失速の進んだ迎角では、NSDBDアクチュエータの方がより良い剥離制御性能を示した。1で示したとおり、両者の誘起する流れ場は大きく異なり、2つの制御メカニズムが異なることを示す結果を得た。 3 : 中レイノルズ数流れ(Re=260,000)及び高レイノルズ数流れ(Re=1,300,000)に対しNSDBDアクチュエータ及びACDBDアクチュエータを適用した。中レイノルズ数流れでは両者ともに制御性能が認められ、特にNSDBDアクチュエータでは広い周波数領域で効果が見られた。一方高レイノルズ数流れでは効果が非常に軽微であるものの、ACDBDアクチュエータの方が良い効果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画のうち、ナノ秒パルスアクチュエータに関する知見を得る、という項目は概ね達成できたが、PIV計測システム導入の遅れにより、非定常計測の項目はほとんど達成できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、非定常計測の項目について遅れがあり、早急に本項目の計測を行う。25年度中に計測に必要となるシステムの構築が進んだため、現時点で不足している条件について実験を進め、包括的制御指針について議論を進める。
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Research Products
(5 results)