2014 Fiscal Year Annual Research Report
天体間飛行の新たな回転座標系における表現とその応用
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13J06557
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 純 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スパイラル軌道 / 変動回転座標系 / 電気推進 / Shape-Based Strategy |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 座標系回転角速度が変化する変動回転座標系を用いて, 電気推進によるスパイラル軌道の設計を行うものである. 本年度は, 以下の3項目について研究を行った. [1] 最適化手法について:2-インパルスΔVでの円軌道間遷移は,Hohmann遷移が最適であることが知られている.電気推進による低推力軌道は,このHohmann遷移の拡張とみなされる.両者は本質的に同じものであり,変動座標系で表示した形状も近いものとなる.ここから,最適軌道設計のアイデアとして,低推力軌道による最適性劣化分を,軌道の広がりの大きさで表現する,という考え方を採用することとした.なお,変動回転座標系でのHohmann遷移軌道形状は,解析的に表現できないので,軌道形状関数は,Spline補完を用いて生成した.1例として(地球->火星),Hohmann軌道の広がり具合を0.6倍に圧縮した場合に必要なΔVは7.06 km/sであり,通常の最適化計算で求めた最適ΔVである6.99 km/sに非常に近い値となっている.本手法で,低推力軌道を,Hohmann遷移からの劣化というパラメーターを用いて,簡便に生成できるようになった. [2] 新たな軌道指定法について:[2]では,視点を変え,軌道を指定する別の手法について検討を行った.本年は,具体的に,探査機が持つ軌道角運動量の履歴を指定するという手法を用いた. [3] [2]に基づく3次元軌道設計への拡張:これまで,全ての軌道設計は2次元平面でおこなっていたが,[3]ではこれを3次元空間に拡張した.ここでの定式化は,[2]に基づくものである.具体的には,軌道要素の履歴を指定することで,間接的に軌道角運動量の履歴を指定している.本手法では,軌道を表現する関数を指定するだけという簡便な手法で, 3次元多周回低推力軌道を設計することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・最適化手法の1つを構築したため. ・3次元軌道設計の方針を定めることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
過去2年間で行ってきた軌道設計法・最適化手法をまとめ, 実際のミッションで行う軌道解析に,直接応用できるスキームを構築する.
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Research Products
(1 results)