2013 Fiscal Year Annual Research Report
個体での解析を可能にする革新的核磁気共鳴分子プローブの開発
Project/Area Number |
13J06653
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
秦 龍ノ介 九州大学, 大学院工学府, 別研究員
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Keywords | 核磁気共鳴 / 動的核偏極法 / 分子プローブ / アミノペプチダーゼ |
Research Abstract |
本研究の目的である、個体での解析を可能にする新たな分子プローブの開発を目指し、アミノペプチダーゼをターゲットとした、動的核偏極法(DNP)を用いる核磁気共鳴分子プローブの開発を行った。アミノペプチダーゼは、がんを含む様々な疾病との関連が示唆されている酵素であり、この酵素を解析することができる分子プローブを開発することができれば診断等への応用が期待できる。アミノペプチダーゼを解析するために様々なアプローチが試みられてきたが、マウスや人と言った個体内のアミノペプチダーゼの解析は難しい。そのため、個体の解析へ向けた新たな分子プローブが求められている。 今年度は研究計画に沿い、新たな小分子ユニットを探索し、アミノペプチダーゼをターゲットとした分子プローブの設計・合成を行った。縦緩和時間(T-1)の比較から、1級アミドがアミノペプチダーゼ分子プローブの設計に有望であることが分かった。1級アミド構造を用いてロイシンアミノペプチダーゼ、アラニンアミノペプチダーゼに対する分子プローブを設計・合成した。 合成した2種類の分子プローブの化学シフトを調査したところ、アミノペプチダーゼと反応することで、両者とも1.4ppm程度変化することが分かった。この結果は、MRIを用いたアミノペプチダーゼの反応解析が可能であることを示している。また、合成した分子プロープの緩和時間を測定したところ、個体の解析へ応用した場合もシグナルの観測が期待できる値を示した。マウスの肝臓や腎臓等の破砕液に分子プローブを加えても反応性を示すため、実際に個体に導入しても反応すると考えられる。最終目的である、個体での解析へ向け、期待の持てる実験結果を得る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究計画では、新たな小分子ユニットを探索し、実際に分子プローブを設計・合成することが目標であった。実際に、小分子ユニットとして1級アミドを見いだし、アミノペプチダーゼに対する分子プローブを設計・合成することができた。そのため、研究計画に沿っておおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度行うことができなかった動的核偏極装置を用いた実験を行う。具体的には、合成した分子ブローブのDNP-NMR測定を行い、DNPによる感度上昇を確かめる。さらに、個体での解析を目指し、マウス又はラット体内からのシグナルの検出を試みる。また、これらの実験結果から得られる知見を元に、分子プローブの改善、新たな小分子ユニットの開発を行う。この実験を進める上での問題点として、動的核偏極法に用いる実験装置の故障がある。現在修理中ではあるが、時間がかかるようであるなら他大学での測定を視野にいれ研究を計画する。
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Research Products
(4 results)