2013 Fiscal Year Annual Research Report
長期流域水収支データを用いた森林の洪水緩和機能の定量的解析と評価
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13J06722
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
五名 美江 独立行政法人森林総合研究所, 水土保全研究領域, 特別研究員(PD)
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Keywords | 森林の洪水緩和機能 / ピーク流出量 / 直接流出量 / 過去再現 / 長期流域水収支データ |
Research Abstract |
本研究は、A(過去再現)森林植生の変化によって森林の洪水緩和機能がどのように変化したのかを定量的に解析し、過去80年のデータから明らかになった結果を踏まえて、B(未来予測)日本の森林生態系および地球温暖化の将来シナリオを想定した場合、森林の洪水緩和機能がどのように変化するのかをシミュレーションする、ことを目的としている。1年目は、A(過去再現)の下記を実施した。 A(過去再現)森林の洪水緩和機能の定量的解析 森林の洪水緩和機能の評価に関係する、下記の項目を定量的に解析した。その中で、成果の一部を発表した。 ①対象とする降雨イベントを抽出する。 ②ハイドログラフの低減曲線の傾きから、降雨イベントの終了時刻を求める。 ③直接流出量、ピーク流出量、洪水到達時間、最大流域貯留量、を算出する。 ④初期水分条件、最大降雨強度で区分する。 森林の回復・植生の変化によって、同量の雨が降った場合、どの程度、③が変化し、④の因子が影響するのか、を定量的に解析した。 主な研究成果として、森林の洪水緩和機能のピーク流出量についての知見を蓄積し、研究成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去再現に必要なデータ解析が順調に選み、国内外の学会で発表するとともに、学術論文として公表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、未来予測に着手するために、過去再現で得られた知見を使用したモデルを作りたいと考えている。研究計画では複数流域を対象としているが、1年目に実施した過去再現結果から得られた知見、および今後の研究の発展の重要性を考慮し、研究課題の達成のため研究の重点を置く流域を選択し、まずはシミュレーションを行いたいと考えている。
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Research Products
(10 results)