2014 Fiscal Year Annual Research Report
シミュレーションおよび選抜試験に基づく植物育種におけるゲノミックセレクション
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13J06921
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢部 志央理 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ゲノミックセレクション / 植物育種 / シミュレーション / 実証試験 / 普通ソバ |
Outline of Annual Research Achievements |
シミュレーションを用いて明らかにしていたゲノミックセレクション(GS)の有効な育種デザインに基づき、普通ソバにおいてGSと表現型選抜(PS)の実証試験を3年間行った。PSとGSの比較、シミュレーションと実証試験における選抜効率の比較を行い、普通ソバの育種において、GSは従来のPSと比較して有効であることが示され、他の他殖性植物の育種についてもGSが有効であるという可能性が示唆された。また、連鎖不平衡のパターンによってGS予測モデルを更新する適切なタイミングが異なるなど、育種効率を上げるために重要な示唆を得た。今後、個体サイズや世代時間の長さ故にGSの有効性検証が困難であった他の他殖性植物に対しても、GSを用いた遺伝的改良を効率よく行うことができる可能性が向上したと考えられる。 普通ソバの高密度連鎖地図の構築とQTL解析を行った。事前情報が乏しい作物に対してもGSを適用して高速に育種を行うことができる可能性が示された。また、普通ソバはヘテロ性が高く、研究材料とは別の集団では連鎖地図が使えない可能性があったが、本研究で完成した連鎖地図は、各座位が数マーカーによって構成されており、別集団にも適用できる可能性が高い。 実際にGS育種を行う際には、その過程で人為的ミスが発生する可能性が高い。本研究では、他殖性のキャッサバの育種を想定し、「人為的ミス」の影響をシミュレーションによって評価した。育種においては、育種集団の遺伝変異の維持と人為的ミスの間のトレード・オフの関係により、少ない人為的ミスであれば、結果に大きな影響は与えないということがわかった。このことから、GSにおいては、大きなコストを投入して人為的ミスを防止・発見する必要はなく、現場での注意喚起・統計的処理による誤りの検出で十分であるということが示された。また、育種現場で使うことのできる育種シミュレーションソフトを開発した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)