2013 Fiscal Year Annual Research Report
Ras-ERK経路制御系の幹細胞および細胞老化における意義の解明
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13J06986
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 麻友 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Spred / シグナル伝達 / Ras / ERK / 骨髄細胞 / 樹状細胞 / Th2 |
Research Abstract |
Ras/ERK抑制因子Spred-1およびSpred-2は機能が相補的であり、且つこれらの両欠損マウスは胎生致死であるため、その機能解析は困難であった。本課題である造血幹細胞におけるSpredの役割を解析するため、Cre/loxPシステムを用いた血球系細胞特異的な両欠損(cDKO)マウスを作成した。これを用いて各血球系細胞の分布を調べたところ、cDKOマウスにおいて血球系細胞数の増加が見られた。また、cDKOマウスにおいて好中球や樹状細胞などの骨髄球系細胞の割合が顕著に増加していたため、樹状細胞の前駆細胞の数を調べた結果、cDKOマウスにおいて骨髄中の樹状細胞前駆細胞の数が顕著に増加していることが明らかとなった。そこで細胞系譜のさらに上流の前駆細胞および造血幹細胞におけるSpred欠損の影響を調べようとしたが、cDKOマウスの繁殖効率が悪く今後の研究に差し支えると判断したため、cDKOの条件の変更に取り組んでいる。 一方で、Spred-1の機能解析の一環として、プロテアーゼ誘導性アレルギー性気道炎症におけるSpred-1の役割を解析している。先行研究において、Spred-1 KOマウスではTh2型サイトカインの過剰産生を伴うアレルゲン誘導性気道炎症が亢進することが分かっていた。しかし、Spred-1はTh2細胞の分化やそれらによるサイトカイン産生には影響を及ぼさず、Th2型サイトカインの過剰産生源は不明のままだった。近年になって、Th2型サイトカインを産生する新たな細胞群として2型innate lymphoid cell (ILC2)が報告されたため、現在Spred-1のILC2の増殖やサイトカイン産生に及ぼす影響を解析している。実際これまでに、Spred-1 KOマウスにおいてILC2が増加していることや、ILC2の増殖やサイトカイン産生にMEK1/2が関与していることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
cDKOマウスの繁殖効率が悪いためやや進行が遅れている面があるが、cDKOマウスにおいて血球系細胞数、および樹状細胞前駆細胞の数が顕著に増加していることを確認している。一方でILC2の増殖やサイトカイン産生にSpredが関与していることを見いだしている。このように本研究は順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
cDKOマウスの繁殖効率が悪い問題を解決するため、これまでの血球細胞特異的なTie2遺伝子を用いたコンディショナルダブルノックアウトの系ではなく、タモキシフェン誘導性に標的遺伝子をノックアウトできるERT2-creを用いたシステムに切り替えている最中である。
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Research Products
(1 results)