2014 Fiscal Year Annual Research Report
人工光合成を目指したタンパク質設計とその色素複合体の電極基盤上への組織化
Project/Area Number |
13J07029
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
酒井 俊亮 名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 光合成 / タンパク質 / 色素 / 電極基板 / 再構成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は光合成初期過程におけるエネルギー変換システムを模倣した、高効率な人工光合成デバイスの開発を目的としている。本研究で用いた光合成細菌の光合成膜中には光エネルギーを捕集する諸種の膜タンパク質/色素複合体が存在している。これらの複合体に含まれる色素分子は膜タンパク質によって距離や配向が制御されており、光合成初期過程でのエネルギー捕集を高効率に行うために最適化された構造であると考えられる。従って、これらのタンパク質/色素複合体の構造を人工的に再現することができれば、前述のような人工光合成デバイス開発のための礎となる事が期待できる。 そこで、本研究ではタンパク質/色素複合体を構築するためのビルディングブロックとして、紅色光合成細菌の光捕集アンテナ(LH1複合体)を構成する膜タンパク質(LH1ポリペプチド)をモチーフとした諸種の組み換えタンパク質を遺伝子工学的手法により作製した。これらの組み換えタンパク質は天然のLH1ポリペプチドと同様に色素との複合体を形成でき、天然の複合体と同様にタンパク質によって色素の会合状態を制御できることが示された。 また、タンパク質/色素複合体から電子を受け取る役割を持った電子伝達系タンパク質(シトクロムc6)も大腸菌発現系によって発現することに成功した。また、この電子伝達系タンパク質は光合成タンパク質/色素複合体である光化学系Iに電子を受け渡すことが確認できた。本研究で作成したこれらのアンテナ系タンパク質/色素複合体や電子伝達系タンパク質に、さらに酵素などを組み合わせることで、当初の目的である天然の光合成の機能を模倣した人工光合成デバイスの開発へと繋がることが期待できる。
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Research Progress Status |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。
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