2013 Fiscal Year Annual Research Report
ミドルダウン型まちづくりの有用性とその運営モデルに関する研究
Project/Area Number |
13J07075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
苅谷 智大 東北大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ミドルダウン型まちづくり / 中心市街地活性化 / 2点ハブ協働モデル / 復興まちづくり / 組織マネジメント |
Research Abstract |
本研究は、近年先進的取り組みとして見られるようになってきた「ミドルダウン型まちづくり」の運営モデル(2点ハブ協働モデル)を、まちづくりの現場から直接得られる情報をもとに明らかにすることを目的としている。研究1年目にあたるH25年度は、ミドルダウン型まちづくりの事例として震災後石巻市中心市街地にて設立されたまちづくり協議会に着目し、同市のタウンマネジメント組織である街づくりまんぼうへのアクションリサーチによる調査を行った。調査の結果、まちづくり協議会が進める中心市街地復興まちづくりの詳細なプランニングプロセスに関する情報を入手することができた。これまでまちづくりの研究において多用されてきた一時点での関係者へのヒアリング調査やアンケート調査は、現場への研究者の関与の限界から、その成果は断片的にならざるを得なかったが、本研究は、研究者自身がまちづくり協議会の事務局としても関与することで、まちづくりのリアルタイムな進捗やそのときの人間関係の様子について詳細な情報を入手することができた。これにより、従来のまちづくりに関する研究では把握することが困難であった、まちづくりの背景に潜む関係者間の社会関係資本を含めたプランニングプロセスを把握することができた。この内容については、平成25年11月に開催された日本都市計画学会学術研究論文発表会において発表した。 一方で、本研究で対象とする2点ハブ協働モデルの構築に向けて、「東北大学高度技術経営塾」卒塾生による勉強会へ継続的に参加し、経営学系の分野における非営利組織のマネジメント手法に関する基礎知識の習得を図った。勉強会では、リーダーシップとマネジメントの違いに着目し、参加者の実践活動から両者の役割について帰納的推察を行い、協働モデルの仮説作成に必要な知識を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
石巻市中心市街地を活動範囲とするまちづくり会社へのアクションリサーチにより、復興まちづくりの詳細なプランニングプロセスについて整理を行うことができた。また、その成果を日本都市計画学会学術研究発表会及び日本建築学会東海支部シンポジウムにて発表・報告をすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き石巻市中心市街地における復興まちづくりに関するモニタリングを行い、情報の収集と整理に努めるとともに、経営学系の勉強会への参加を通して非営利組織に関するマネジメント手法に関する基礎的知識を習得する。勉強会を通して組み立てた2点ハブ協働モデルの仮説について、石巻市中心市街地での調査より得られた情報を元に検証を行う。
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Research Products
(2 results)