2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J07147
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中濱 良祐 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ジョルダン代数 / ジョルダン三重系 / 正則離散系列表現 / 最高ウエイト表現 |
Research Abstract |
私は今年度, 複素ジョルダン代数および複素ジョルダン三重系の理論を用いて, 有界対称領域上のベクトル値関数の空間に関する研究を行った. まず, 複素ジョルダン三重系のある部分領域D(有界対称領域)に, その共形変換群のある実形Gが正則に作用している. この作用は自然に, D上のあるベクトル空間Vに値をもつ関数の空間上のGの表現を引き起こす. この作用は1次元のパラメータλによってパラメトライズされており, λが十分大きいときには積分で定義されるある内積を不変にする. したがってこれはユニタリ表現となる. これは正則離散系列表現と呼ばれる. 一方λが小さい場合には, この積分は収束しない. しかし, λが大きいときこの内積はλに解析的に依存するので, 小さいλに対してもこれを解析接続することができる. したがってこの内積が正定値となるようなλに対しては, この表現はユニタリ表現となる. Faraut-Korányi (1990)はスカラー値の場合に, この内積を具体的に計算し, どのλに対して表現がユニタリとなるかを具体的に決定した. 私は今年度の研究で, これを一般化した. つまり, 値の空間Vがある仮定を満たす時に, 内積を具体的に計算し, どのλに対して表現がユニタリとなるかを具体的に決定した. この研究はスカラー値の場合も含むので, Faraut-Korányiの結果をより統一的な観点から見たことになる. また, ユニタリ化可能となるλの決定は既にEnright-Howe-Wallach (1983)およびJakobsen (1983)によって, これとは異なる抽象的な手法で一般のVに対して解決されているが, 私の研究で特別なVに対してこれの具体的な別証明を与えたことになる. また, 来年度以降非ユークリッド型ジョルダン代数上の関数の解析に活かすため, 小林-0rsted (2003)および小林-真野(2011)の不定値直交群の極小表現に関する諭文を読んで学んだ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究目的として掲げた 1. 非Euclid型Jordan代数に付随する表現の解析 2. 有界対称領域上のベクトル値関数の解析 のうち, 後者についてある程度満足できる結果が得られたため.
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Strategy for Future Research Activity |
上に書いた2つのうち主に前者についての研究を行う. また後者についても, 値の空間Vに関する仮定を弱められる可能性があるので, 引き続き研究を行う.
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Research Products
(4 results)