2014 Fiscal Year Annual Research Report
現代中東における経済社会開発と紛争の脱構造化に関する実証研究-ヨルダンを中心に
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13J07236
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
今井 静 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中東地域研究 / 中東国際関係研究 / ヨルダン・ハーシム王国 / GCC / アラブの春 / シリア難民 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究実施状況は以下の三点の通りである。一点目に、ヨルダンの対イスラエル関係および対GCC加盟国関係の経済的側面と、ヨルダンのGCC加盟をめぐる議論に関する先行研究の整理と資料の分析を進めた。そのために、ヨルダン・アンマーンにおいて、中東地域で発行されている当該テーマに関する書籍・論文を参照するべく入手したほか、内務省統計局・ヨルダン大学図書館・国立図書館などで統計資料や政府発行文書・現地紙バックナンバー等を収集した。二点目に、一点目の内容を補足するものとして、ヨルダン滞在中に同国へのシリア難民の流入についての調査を行った。シリア人難民コミュニティは現在人口の一割とも二割とも言われる規模にまで拡大しており、難民問題の動向はヨルダンの政治・経済・外交を大きく規定している。本研究との関わりでは、特にGCC加盟国からの難民支援を目的とした財政援助がヨルダンとの関係強化の一助ともなっている。本年度の調査では、難民支援と並行して行われているヨルダンの地域開発の実態について、アンマーン、イルビド、マフラク各地のUNHCR事務所においてインタビュー調査を行った。これは、『国際政治』において発表した論文の内容を補足するものであり、その成果は改めて国際会議における報告でも取り上げた。三点目に、ヨルダンの国内政治に関する前年度までの研究成果をトルコで開催された世界中東研究大会において発表した。これは、「アラブの春」と呼ばれる中東の政治変動の中で見られたヨルダン社会における抗議活動が提示した要求や政府の対応策について、現地の研究機関が実施した世論調査の結果や報道資料などの分析から明らかにするものであった。海外の研究者による企画のパネル・セッションに参加し発表したものであり、主にヨーロッパ諸国のヨルダン研究者やヨルダンのジャーナリストらと意見交換を行う貴重な機会ともなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ヨルダン・イスラエル関係およびヨルダン・GCC関係の経済的側面に関する研究を進めるための資料の収集・整理を計画通りに進めることができた。また、計画の策定時期には見られなかった現地情勢の変化についてもシリア難民の受け入れについての調査研究によって反映できている。また、これらの成果については論文執筆および海外での研究報告によって順調に公表をしていることから、本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をもとに、今後も補足的な現地調査と資料収集・分析などから研究成果の改善を図り、研究課題の遂行に努める。また、本年度は研究内容や論文投稿等による成果発信もおおむね計画通りに行うことができているため、次年度も大きな計画の変更はしない。
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Research Products
(4 results)