2015 Fiscal Year Annual Research Report
酵母Yarrowia lipolyticaのn-アルカン代謝と制御に関する研究
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13J07284
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩間 亮 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Yarrowia lipolytica / n-アルカン代謝 / オキシステロール結合タンパク質ホモログ / 細胞膜-小胞体コンタクトサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの本研究で、n-アルカン資化性酵母Yarrowia lipolyticaにおけるn-アルカン代謝経路中の代謝変換酵素を明らかにしてきた。本年度はn-アルカン資化に関与する代謝変換酵素以外をコードする遺伝子を探索し、それらの解析を試みた。 1. Y. lipolyticaのn-アルカン代謝における細胞膜-小胞体コンタクトサイトの役割 Y. lipolyticaにおいて、小胞体膜タンパク質をコードすると推定されるSCS2の破壊株では、n-アルカン資化能が低下するが、その理由は不明であった。S. cerevisiaeにおいて、SCS2、SCS22、TCB1、TCB2、TCB3、IST2が小胞体と細胞膜とのコンタクトサイト形成に関わることが示唆されていた。そこで、Y. lipolyticaにおけるこれらのオルソログをSCS2、SCS22、TCB1、TCB2、IST2と命名し解析した。SCS2、SCS22、TCB1、TCB2の4重破壊株はn-アルカンを炭素源とした培地で生育がより悪化したことから、n-アルカン資化に細胞膜-小胞体のコンタクトサイトが関与する可能性が考えられた。 2. Y. lipolyticaのオキシステロール結合タンパク質ホモログのn-アルカン代謝における役割 S. cerevisiaeにおいてオキシステロール結合タンパク質ホモログをコードするOSH3のY. lipolyticaにおけるオルソログ(OSH3と命名)の破壊株では、n-アルカン資化能が低下した。Y. lipolyticaのゲノムには、オキシステロール結合タンパク質と相同性を示すタンパク質をコードする遺伝子がさらに3つ見出され、これらをそれぞれOSH1、OSH4、OSH6と命名した。これらについて破壊株を作製し、解析したところ、OSH6破壊株においてもn-アルカン資化能が低下した。OSH3破壊株ではn-アルカンにより誘導されるP450由来のピークが野生型株と同程度に見られたのに対して、OSH6破壊株ではP450由来のピークが低下していた。この結果から、OSH6破壊株では機能的なP450が生産できないために、n-アルカン資化能が低下していることが示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)