2014 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの生活習慣病リスクに及ぼす出生時体重と身体活動の影響
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13J07359
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
宮本(青山) 友子 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 基礎栄養研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 出生時体重 / 乳幼児期 / 発育・発達 / 身体活動量 / 健康関連体力 / 生活習慣病 / 糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、データ収集と並行して統計解析を行った。まず、子どもの身体活動量が出生時体重とは独立した要因であることを検証するために、小学生419人の出生時体重と、三次元加速度計を用いて測定した日常生活における身体活動量との関係を検討した。その結果、出生時体重と学童期の身体活動量との有意な関係は認められず、学童期の身体活動量は出生時体重に依存しないと考えられた。したがって、身体活動量の増加を目的とした介入は、出生時体重に関わらず同様に有効であると考えられた。 次に、子どもの健康関連体力が、出生時から乳幼児期にかけての発育の経過と関係があるかについて検証を行った。小学1年生238名を対象に、母子健康手帳に記録されている出生時および乳幼児健康診査の記録を調査し、それらの体重の記録と小学1年時の心肺持久力・筋力・筋持久力との関係を検討した。その結果、出生時体重が重いと、あるいは出生後から1歳半および3歳までの体重増加量が多いと、小学1年時の握力を指標とした筋力が高いことが示された。したがって、小学1年時の筋力はある程度出生時から乳幼児期に決定されると考えられた。今後、この関係性が学童期の身体活動量によってどのように変化するかを検討する予定である。 さらに、出生時体重と成長後の生活習慣病リスクとの関係を検証するために、18歳以上の男女107人の出生時体重を調査し、糖代謝指標(ヘモグロビンA1c)との関係を検討した。その結果、女性(69人)においては、出生時体重が重いと成長後の糖代謝機能が良好に保たれている傾向が示唆された。今後、さらに対象者数を増やして検討を行うとともに、この関係性が成人期の心肺持久力・筋力・筋持久力などの健康関連体力によってどのように変化するかを検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点で、計画した3つの研究課題のうち2つにおいてはデータ収集を終え、統計解析に着手している。残りの研究課題においては、目標とする被験者数に対して半数以上の被験者のデータが得られており、試験的に統計解析を行っている。このように、データの収集が途中段階のものも含まれるが、すべての研究課題において統計解析に着手している状況から、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究者らの協力により、円滑に研究を遂行することができているため、これまで以上に連携をとり推進していく。 近年、乳幼児期の運動発達と将来的な体力や身体活動量との関係が示唆されていることを踏まえ、母子健康手帳に記録されている運動発達に関わる記録を調査項目に追加し、それらと体力・身体活動量を関連させて分析を行うことを計画している。
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Research Products
(1 results)