2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリセン担持キラルナノ粒子による合成および生体有機小分子・大分子の不斉形状認識
Project/Area Number |
13J07469
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮川 雅道 東北大学, 薬学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヘリセン / ナノ粒子 / 沈殿 / 平衡移動 / 分子時計 / 形状認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヘリセン担持キラルシリカナノ粒子(以下、(P)-nanoparticles)が溶液中の化合物を認識、吸着し、凝集、沈殿して機能を発現し、物質による情報伝達システムを開発することを目的とする。本年度は、(P)-nanoparticlesを用いて遷移金属触媒反応の平衡移動、(P)-nanoparticlesの沈殿による物質時計の研究を行った。 遷移金属触媒は反応の活性化エネルギーを低下させる。生成物が熱力学的に安定であれば生成物は高収率で得られるが、基質の方が安定であると生成物の収率は低くなるので、生成物の収率を向上させるためには、ルシャトリエの法則に従って平衡を移動させる必要がある。遷移金属触媒反応では反応条件が限られることがあるため、目的の生成物を反応系外に除去する方法に着目した。当研究室で開発したロジウム触媒によるジスルフィド交換反応において平衡移動の研究を行った。(P)-nanoparticlesが生成物を認識、吸着し、凝集、沈殿して、生成物を反応系外に除去することで生成物の収率を平衡状態の25%から37%(最大収率50%)まで向上させることができた。(P)-nanoparticlesは反応系中に存在する触媒や配位子の活性を阻害せず、生成物を選択的に認識、吸着した。 生物は体内時計を持っていて、これは生体分子が精密に制御されて引き起こされる現象である。合成分子を使って、このような現象を起こすことに興味が持たれる。(P)-nanoparticlesと二重ラセン構造のヘリセンオリゴマーを溶液中、混合すると3時間後に沈殿が始まった。UV-vis, CD, DLSで刑事変化を追跡すると、3時間まではスペクトルに変化はなく、3-4時間で急激に変化した。複数回実験を行っても、この現象は再現できた。一方、ランダムコイル状態で混合すると、48時間以上変化しなかった。(P)-nanoparticlesと混合する有機化合物の種類、構造によって沈殿する時間が異なり、合成分子を使って時間が計測できることがわかった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)