2014 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波アシスト記録ヘッド用の負の巨大一軸結晶磁気異方性Co基合金薄膜の開発
Project/Area Number |
13J07524
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日向 慎太朗 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロ波アシスト磁化反転 / Co基合金薄膜 / 一軸結晶磁気異方性 / 積層欠陥 / グラニュラ構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,マイクロ波アシスト記録ヘッド用磁界発振層のための,巨大な負の一軸結晶磁気異方性 (Ku) を有するCoIr薄膜の作製およびグラニュラ化 (金属コラム-酸化物粒界の複合構造),ならびにその高周波特性の明確化にある. 研究計画としては,1-2年目においてCoIr合金の負のKuを増加させるプロセスの確立,3年目においてそのグラニュラ化を行う予定を立てている. 平成26年度においては,高周波特性の評価,および3年目の予定を前倒しして,巨大Kuを有するCo基合金-酸化物グラニュラ膜の作製指針について検討した. 高周波特性については,発振のしにくさに対応するダンピングファクターと,グラニュラ膜の磁化状態との対応について検討した,まず基礎検討としてCoPtCr-SiO2膜について検討したところ,磁化状態が飽和状態から約40%が反転した状態へと変化するにともない,ダンピングファクターは約6倍もの値に増大することが判明した.また,巨大Kuを有するグラニュラ膜の作製指針について,前年度,巨大Kuの実現には六方原子積層構造と,Co・Irの組成分離構造とを両立する必要があり.上記構造がそれぞれCo合金の価電子数,および基板温度の時間変化により支配的に定まることを明らかとした.その結果,プロセスとしては,添加物濃度20%近辺において基板温度を約350℃一定に保ちながら成膜することで巨大Kuを実現させられる目処を立てた.しかしながら,グラニュラ化のために酸化物の添加および下地層の凹凸付与を実施すると著しくKuの大きさが低下することが判明した. 上記結果は,国内および国外の学会にて報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高周波特性についての進捗に加え,H27年度に予定していた高温でのCo基合金薄膜のグラニュラ化についても,問題点が前年度に明らかとなったため.
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Strategy for Future Research Activity |
ダンピングファクターの磁化状態依存性が小さいグラニュラ組織,およびKuの減少が小さい添加物について検討を行う.
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Research Products
(10 results)