2014 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援教育教員におけるメンタルヘルス体制・対策と精神健康との関連に関する研究
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13J07552
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 浩平 東北大学, 教育情報学教育部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / 教員 / メンタルへルス / ストレス / うつ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、勤労者に対して職業性うつ尺度の開発のためのデータ収集を行った。職業性うつ尺度のデータは、特に心身の訴えがなく日常生活や社会生活において支障のない企業従業員665名と、研究協力機関である心療内科を受診した712名の計1377名から回収した。従来のうつ病のスクリーニング尺度は開発から長年が経過しており、現代人の社会的状況にそぐわない質問項目も見られ項目の再検討が必要な状況にある。そのため、本研究から、上記のような課題を解決した産業保健領域におけるうつのスクリーニングに適した尺度が作成される。 また、アサーション・スキル(適切な自己表現)についての研修プログラムを企業従業員へ実施し、事前・研修直後・1か月後のメンタルへルス関連項目について質問紙調査を実施した。セルフ・エフィカシー(自己効力感)、コミュニケーション・スキル、パフォーマンス、うつ傾向等について、研修参加者の40名からデータを収集した。各尺度得点の変化から、従業員のメンタルへルス改善につながることが示唆されることで、アサーション・スキルを高めることをテーマとした研修によるメンタルへルスケアプログラムが確立されることとなる。 さらに、本年度は日本における自己評価式うつ評価尺度の尺度構成及びその特性の概観についてレビューした論文を国際学会誌にて発表している。本稿から、これまで用いられているうつ尺度について、対象者の状況に合わせた尺度の開発や改善が活発に行われる状況が望ましいといった現状が示唆された。また、特別支援教育に携わる教員のメンタルへルスに影響を与える要因について、教員に対する質問紙調査のデータから、性別、年齢、雇用形態、勤務地域との関連を分析した論文を国際学会誌にて発表している。研究課題であるうつ評価尺度の開発とメンタルへルスケアプログラムの効果検証の基盤となる研究成果を報告している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
うつ評価尺度の開発、及びメンタルヘルスケアプログラムの効果検証について、一般企業において計画通りのデータの収集が可能となっているため、当初の予定通りの進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた一般企業でのデータを分析した結果について報告することにより、今後の研究課題は概ね達成されることとなる。しかし、特別支援教育現場の教員に向けたメンタルへルスケアプログラムを実施する機会が得られていない状況にある。そのため、協力の得られる特別支援学校を確保するため、呼びかけを行っていく予定である。
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Research Products
(5 results)