2013 Fiscal Year Annual Research Report
さとうきび生産・製糖ローカルフードシステムの空間計量経済学的研究
Project/Area Number |
13J07568
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 麻子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | さとうきび / 製糖 / ローカルフードシステム / GIS / 規模と生産性 / 作業受委託 / 圃場別パネルデータ |
Research Abstract |
本研究では、構造改革の進展の異なる南大東島および、徳之島において、オリジナルの圃場別パネルテータセットを構築し、農地と生産性を巡る問題について、ミクロ計量経済・空間計量経済的アプローチによる実証分析を行う。今年度は分析モデルの検討・先行研究の整理、及びデータの取得を完成させた。 1, 圃場別生産実績のパネルデータ構築の継続と拡充 (1)南大東島 圃場別生産実績データの平成21/22年期以降の4年間のデータを追加し、GISを用いてパネルデータ化を行った。また、南大東島滞在中(8月)には、農薬・肥料・機械の購入データの取得及び、灌水圃場・灌水設備の聞き取り調査、土壌診断データの取得、新しいGISの圃場ポリゴンデータの取得を完成させた。 (2)徳之島 島内全域の作業受託経営に「作業受託に関するアンケート」及び、「農業経営に関するアンケート調査」を実施。(11月) 過去3年間のアンケート対象者の圃場別生産実績データ(平成19/20年期~平成24/25年期)、および収穫受託実績データの取得。(3月)収穫ハーベスターのGPS情報の取得中。(1月~製糖終了まで) 2, 南大東島の圃場別パネルデータによる「規模と生産性」発生メカニズムの再検討 農家行動モデルの検討を行い、そのうち品種・作型の決定に関する分析を日本農業経済学会にて個別報告をおこなった。現在、生産関数分析をおこなうためのデータ整理を行っている段階であり、4月を目途に終了を予定をしている。 本稿では圃場別の生産実績及び、土壌診断データを組み合わせたオリジナルのパネルデータを構築することで、逆相関存在理由に焦点を当て、仮説検証を実施する。先行研究では、土壌データを兼ね備えた圃場別のクロスセクションデータあるいは、圃場別生産実績のパネルデータという研究しかない。これにより、逆相関の要因についての仮説を直接検討することが出来る点で、画期的といえる。 3、徳之島の作業受委託が生産性に与える影響の検討 徳之島のアンケートデータの入力・整理は概ね終了、3月に入手したデータを再整理することで、生産分析に入っていく。また、夏頃に現地報告会を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デ一タ取得の完成は完了したため、おおむね順調に進展している。 ただし、一部データ(徳之島の圃場別生産実績データ及び、南大東島の機械データ)の入手が予定時期より遅れたこと、及び、当初予定していた以上のデータ取得(南大東島のJA購買農家品目別実績表)が達成されたため、その入力作業及び、データ分析のためのデータ整理に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
分析用データセットの構築を早期に完成させることが重要である。そのために、人件費の予算配分を当初予定より多く計上し、データ整理の早期完成を目指している。 また、現地とのデータ取得の交渉に時間を要したため、学会発表をしたものの投稿が未完の分析内容についても、分析を完成させて論文投稿数を増やしたい。
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Research Products
(4 results)