2014 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病予防を目指したSREBP活性抑制能を持つ食品成分探索と抑制機構解明
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13J07586
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮田 慎吾 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | SREBP / Xanthohumol / Insig / SCAP / Sec23/24 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの実験結果より、XNは活性型SREBPを減少させること、そしてそれはInsig(SREBPを小胞体膜上に繋ぎ止め、プロセシングを負に制御する因子)非依存的にSCAP(SREBPをゴルジ体へエスコートする因子)-SREBPの小胞体・ゴルジ体間輸送を妨げることにより行われることが示された。そこで、より詳細な作用機構の解明を試みた。 <XNの標的因子の同定> SREBPの輸送は小胞体においてSec23/24がSCAPに結合し、SCAP-SREBPがCOPII小胞に取り込まれることにより始まる。そこで、XNが連結したアフィニティビーズを用いて、SREBPやSCAP, COPIIタンパク質との結合を検討した。その結果、XNビーズとSec23/24の結合が認められた。 <XNがSCAP-SREBPのCOPII小胞への取り込みに与える影響> これまでの結果から、XNがSCAP-SREBPのCOPII小胞への取り込みを抑制する可能性が考えられた。そこで、XN処理した細胞から抽出したタンパク質をSCAP抗体で免疫沈降した。その結果、XNによりSCAPとSec23の結合が減弱されることが明らかとなった。したがって、XNはSCAP-SREBPのCOPII小胞への取り込みを抑制することが示唆された。 <生体内におけるXanthohumol(XN)の効果検証> XNの短期投与実験を行い、XNが生体内で直接的にSREBPの活性を抑制しうるかどうかを検討した。マウスに75, 150 mg/kg body weightのXNを1日1回で3日間投与し、4日目に解剖した。肝臓におけるSREBPタンパク質量を解析したところ、XN投与により活性型SREBPが減少していた。したがって、XNは生体内でも活性型SREBPを減少させることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定した通りにXNの標的因子を見出すことができ、より詳細な作用機構を解明することができたため。また、動物実験に関しても、去年度より一歩踏み込んだ解析を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に行った研究により、XNはSec23/24に結合し、SCAP-SREBPのCOPII小胞への取り込みを抑制することにより、SREBPプロセシングを抑制することが示された。しかし、XNがSec23/24に直接結合するかどうかは定かではない。そこで、Sec23/24タンパク質を精製し、XNビーズと直接結合するかどうかを検討する。また、ドッキングシミュレーションやX線結晶構造解析を行い、結合様式や部位を特定することが理想である。 また、本研究ではXN以外にも、SREBP活性を抑制する食品成分としてIsoxanthohumol(IXN)やAllyl Isochiocyanate(AITC)などを見出している。今後、これらの化合物についてもSREBP活性抑制メカニズムや生体内における効果を解析していく。
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Research Products
(1 results)