2013 Fiscal Year Annual Research Report
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13J07607
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
簡 頌恩 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 奥行感覚 / 視覚的注意 / 誤定位 / attentional repulsion |
Research Abstract |
本年度は、三次元空間の位置知覚に与える順行性・逆行性注意の影響に関して実証的研究を行った。これまでの研究から、瞬間提示された標的の位置を答える際、標的提示の直前に標的の周辺に手がかり刺激といった、注意を向けさせることを意図した視覚刺激を提示すると、標的位置は実際の位置よりも手がかり刺激から遠ざかる方向に知覚され(Suzuki & Cavanagh, 1997)、反対に、標的提示の直後に手がかり刺激を提示すると、標的位置は実際の位置よりも手がかり刺激に近づく方向に知覚される(Ono & Watanabe, 2011)。このパラダイムを改良し、3Dプロジェクターを用いて、仮想三次元空間で様々な奥行きで手がかり刺激を提示し、位置検出課題による検討をおこなった。 実験の結果、標的提示の直後に手がかり刺激が提示された場合、手がかり刺激を標的より遠い位置に提示すると、近い位置に提示したときよりも標的位置の誤定位量が大きくなった。さらに、この効果絵画的奥行き手がかりによって引き起こされることが明らかとなった。 また、標的提示の直前に手がかり刺激が提示された場合、手がかり刺激を凝視点より相対的に遠い奥行きで提示すると、標的位置の誤定位量が大きくなった。このことから、奥行による空間的な誤定位が、手がかり刺激の三次元空間上の絶対的奥行きにより引き起こされるのではなく、実験参加者が最初に注意を向けた位置との相対的な奥行きによって生じることを示した。 以上の検討により、逆行性注意は手がかり刺激の奥行き情報によって位置知覚に影響を与え、順行性注意は視覚的注意の移動方向によって位置知覚に影響を与えるという新しい結果を示した、これらの成果を、海外学会のVision Science Society Annual meetingと専門誌のPerception誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は, 注意の転移方向が三次元の視覚空間に影響を与えることを明らかにした。この成果を、海外学会のVision Science Society Annnual Meetingで発表し、また査読付き国際専門誌のPerceptionに投稿して、無事掲載された。これらの国際的に有力な学会・専門誌に研究成果が掲載されたことは、本研究が国際的に高く評価されていることを示している。さらにこれらの成果をまとめた博士論文がみとめられ、3月には東京大学より博士号が与えられた。これらの点から、本研究は順調に進展したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究では、注意を誘発する手がかり刺激を三次元空間上に提示することにより、物体の位置知覚にどのような影響が生じるのかを調べた。今後は手がかりを提示しない場合において、三次元空間上の物体位置が知覚的にどのように歪むのかを調べる予定である。さらに、物体位置の知覚の歪みだけではなく、それが提示される視覚空間自体の歪みについても検討を行っていく。
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Research Products
(2 results)