2015 Fiscal Year Annual Research Report
レオロジー測定によるナノフィブリル化セルロースの形成機構およびナノ構造解析
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13J07645
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田仲 玲奈 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノセルロース / レオロジー / 粘弾性 / ヘミセルロース / カルボキシ基 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の一次細胞壁中に存在する、マトリックス多糖に覆われたセルロースミクロフィブリルに着想を得て、柿果肉よりコアシェル型ナノセルロースを調製し、その分散液及び湿潤フィルムの粘弾性を検討した。固形分濃度・塩濃度・pHが粘弾性に及ぼす影響を明らかにした。 コアシェル型ナノセルロースとして、単位フィブリル幅4.2 nm・結晶幅2.3 nmを有するHemicellulose-rich ナノフィブリル化セルロース(NFC)(ヘミセルロース中性糖23%、カルボキシ基0.2 mmol/g)を調製した。対照として、単位フィブリル幅3.3 nm・結晶幅2.5 nmを有するCarboxylate-rich NFC(ヘミセルロース中性糖7%、カルボキシ基0.9 mmol/g)を調製した。 Hemicellulose-rich NFCのゲル状分散液の貯蔵弾性率は、Carboxylate-rich NFCよりも弱い濃度依存性を示し、また高塩濃度・低pH条件下でも緩く凝集していた。さらに、湿潤NFCフィルムの粘弾性は、分散液と同様の傾向を示した。すなわち、Hemicellulose-rich NFCフィルムは塩濃度やpHの変化に影響を受けにくく、高塩濃度・低pH条件下でも柔らかく膨潤していることが明らかになった。これは、Hemicellulose-rich NFCが表面に膨潤性かつ柔らかいヘミセルロース層を有するためだと考えられる。 本研究の成果は、水中で生合成されるセルロースミクロフィブリルの理解に貢献できると期待される。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)