2015 Fiscal Year Annual Research Report
多自由度電子系における複合フェルミオン生成とその動力学
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13J07701
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 晋太郎 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 奇周波数超伝導 / アンドレーエフ反射 / 量子渦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では奇周波数超伝導と呼ばれる、特異な超伝導現象の解明を目的としてこれまで理論的研究を行ってきた。その超伝導状態は奇の時間(周波数)依存性をもつペア振幅によって特徴づけられる。本研究計画の一部ではこのような新しいタイプの超伝導について、1.トポロジカル欠陥(量子渦)の考察と、2.多軌道電子系における複合体秩序の可能性の検証を掲げた。 まず1.に関して、超伝導量子渦は常伝導金属と超伝導体を接合した系(NS接合)の振る舞い、すなわち入射電子が正孔として反射される現象(アンドレーエフ反射)と密接な関係がある。そこで、我々は以前の研究で得られた奇周波数超伝導に対する有効平均場理論を駆使し、NS接合界面における反射・透過問題について解析を行った。通常の超伝導体と異なり、理想的極限(界面のバリアポテンシャルがゼロ)においてもアンドレーエフ反射だけでなく通常反射を必ず伴うことがわかった。この結果は量子渦内の束縛状態が形成されないことを示唆する。また、ペアを対称性の観点から分類・整理することにより、マイスナー効果やジョセフソン接合の振る舞いが見通しよく理解できることを示した。 また2.に関連して、多軌道電子系を記述する有効模型である多軌道ハバードモデルも解析した。多軌道系特有の性質として、電子スピンを局所的に強磁性的に揃えようとするフント結合という電子間相互作用が存在する。本研究ではこれが誘起する(偶周波数)超伝導を理論的に見出し、さらにこれがフント金属もしくはSpin-Freezing 現象というこれまで知られていた物理概念と密接に関係していることを数値計算結果に基づいて示した。これは奇周波数超伝導とは直接の関係無いが、多軌道系における超伝導の新しい可能性を提案した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)