2013 Fiscal Year Annual Research Report
機能的予備力に着目した高齢期の虚弱化把握と介入プログラムに関する研究
Project/Area Number |
13J07733
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
清野 諭 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-26 – 2016-03-31
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Keywords | 歩行速度 / 機能的予備力 / 身体機能 / 生活機能 / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、最大歩行速度と通常歩行速度から定義した機能的予備力が、生活機能低下の有用な指標となるかどうかについて検討した。対象は地域在住の65-94歳の男女449名(平均年齢73.8歳、男性127名、女性322名)である。対象者の通常歩行速度、最大歩行速度を測定し、その差を求めることによって、機能的予備力を定義した。生活機能は老研式活動能力指標によって評価し、10点以下を生活機能低下ありとした。機能的予備力の値から、対象者を3群(high:>0.5 m/s、middle:0.3-0.5 m/s、low:<0.3 m/s)に分け、生活機能低下との関連をロジスティック回帰分析によって検討した。最大歩行速度、通常歩行速度、機能的予備力の平均値±標準偏差は、それぞれ1.85 ± 0.38 m/s、1.38 ± 0.28 m/s、0.47 ± 0.21 m/sであった。生活機能低下を有する者は66名(14.7%)であり、high、middle、low群における該当率はそれぞれ5.9%、15.9%、28.6%であった。生活機能低下に対する調整済みオッズ比は、high群を基準とするとmiddle群では2.5(95%信頼区間:1.1-5.5)、low群では5.3(95%信頼区間:2.2-12.9)であった(P for trend < 0.001)。機能的予備力が低いことは、生活機能の低下と密接に関連していた。機能的予備力を算出することは高齢者の健康状態の評価において、有用かもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた解析を終え、学会でも発表できたので、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は3つある。1つ目は機能的予備力と通常または最大歩行速度単独との予測力を比較し、機能的予備力の妥当性を検討することである。2つ目は縦断分析によって、健康関連アウトカム(ADL障害、要介護認定、総死亡など)との関連を検討することである。3つ目は今後実施予定の介入研究の準備を進めることである。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] 虚弱指標の比較 –Fried’s frailty, 基本チェックリスト, サルコペニア, mobility limitation, ロコモティブシンドローム-2014
Author(s)
根本みゆき, 藪下典子, 金美芝, 清野諭, 鄭松伊, 大須賀洋祐, 大久保善郎, フィゲロアラファエル, 田中喜代次
Organizer
第15回日本健康支援学会年次学術集会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2014-03-08 – 2014-03-09
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[Presentation] 介護保険制度における認定情報の妥当性: 要介護認定はどの程度生活機能障害を反映するか2014
Author(s)
野藤悠, 吉田裕人, 西真理子, 天野秀紀, 村山洋史, 谷口優, 成田美紀, 松尾恵理, 清野諭, 横山友里, 新開省二
Organizer
第24回日本疫学会学術総会
Place of Presentation
仙台
Year and Date
2014-01-23 – 2014-01-25
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[Presentation] 地域在住高齢者における虚弱と食事パターンとの横断的関連2014
Author(s)
横山友里, 西真理子, 村山洋史, 清水由美子, 天野秀紀, 谷口優, 野藤悠, 成田美紀, 松尾恵理, 清野諭, 川野因, 新開省二
Organizer
第24回日本疫学会学術総会
Place of Presentation
仙台
Year and Date
2014-01-23 – 2014-01-25
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[Presentation] 地域在住自立高齢者の体力基準値作成の試み -性・年齢階級別の検討-2013
Author(s)
清野諭, 吉田裕人, 天野秀紀, 西真理子, 村山洋史, 谷口優, 野藤悠, 内田勇人, 熊谷修, 渡辺修一郎, 藤原佳典, 新開省二
Organizer
第72回日本公衆衛生学会総会
Place of Presentation
三重
Year and Date
2013-10-23 – 2013-10-25
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