2014 Fiscal Year Annual Research Report
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13J07810
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 悠平 東京大学, 大学院数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 従順作用 / C*接合積 / Kirchberg環 / 斜積拡大 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)完全離散群のC*群環の核型包囲環の研究を行った. 群のコンパクト空間上の従順作用は群C*環の核型包囲環を与える. 私は従順作用の列で作用される空間が次第に縮退し, 自明なものにつぶれていくものを構成した. このような列はC*群環の核型包囲環の減少列を定める. 私は群がAPを持つ場合にC*接合積の元がいつ部分接合積に含まれるかを, 係数の条件で特徴づけた. この成果と前述の列の構成を合わせて, 特に次の定理を得た. APを持つ群の群C*環は核型包囲環の減少交叉として実現できる. 群がAPより緩い完全性を持つ場合にもこの性質を研究し, 次のことが分かった. 完全群の群C*環と群vN環の間には前述した性質を持つC*環が存在する. これよりC*環の核型性に関して次の事実が明らかになった. 核型環の減少交叉は, 核型性はおろか, それより緩い条件であるCBAP, SOAP, OAP, WEP, LLPなどを一般に持たない. vN環では対応する主張はまったく成り立たない. (2)Glasner--Weissによる極小同相写像の極小な斜積拡大の構成法を一般の離散群の従順極小位相力学系に拡張した. さらにこの構成から生じる極小斜積の接合積の性質を調べた. 具体的には接合積がKirchberg環と呼ばれるよいC*環のクラスに入っているかどうかを考察した. この研究のためにJolissaintとRobertsonが導入したn-filling propertyと呼ばれる位相力学系の性質を亜群に拡張し, それが亜群C*環の純無限性を保障することを示した. これより, 力学系と空間に関する緩い条件の下で, 接合積がKirchberg環になる極小斜積がたくさんあることがわかった. 特にこれより次の定理を得た. Mを連結位相閉多様体, 連結コンパクトHilbert cube多様体, またはそれらの可算直積とする. このとき任意の非従順な完全可算群はMとカントール集合の直積上に極小, 従順, 自由でその接合積がKirchberg環になる作用をもつ. これはカントール集合の場合に得られていたRordam--Sierakowskiの定理を拡張したものとなる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画当初の予想を超えて, 次の二つの研究成果を上げることができたため. (1)位相力学系の研究を通してC*環論の核型性に関わる新しい重要な現象の発見した. (2)極小力学系の構成法の研究を行い, Glasner-Weiss, Jolissaint-Robertson, Rordam--Sierakowskiの先行研究の大幅な拡張を得た.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き従順極小位相力学系とそのC*接合積の研究を継続していく. 接合積の純無限性を力学系の条件から特徴づけることと, Rordamが構成した純無限でない無限単純環を力学系の接合積として与えることが今後の目標である
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Research Products
(11 results)