2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J07840
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小濱 臣将 東京工業大学, 大学院理工学研究科(工学系), 特別研究員(DC1)
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Keywords | フレネルゾーン / 物理光学近似 / モーメント法 / 高周波近似 / 局所性 |
Research Abstract |
本研究では電磁界の代表的な数値計算法であるモーメント法(MoM)に、高周波電磁界の局所性をフレネルゾーンという形で組み込んだ新たな数値計算法を実現することを目的としている。 今年度は以下の2点について明らかにすることをR : 標とした。 1)領域分割数が周波数非依存となるモーメント法の実現 2)モーメント法での解析領域の局所化(Local-MoM) 平成25年度は1)と2)について検討し、以下の結果を得ている。 1-a) 2次元問題かつ物理光学近似法(PO)の散乱断面積解析の場合に限り、周波数が完全に無依存となることを示した。 1-b) 3次元への拡張の場合には現在検討中であるが、領域分割数を周波数に完全に無依存にすることはできず、周波数に対する増加オーダーを低減させることが可能である、という結果が得られている。さらなる検討が必要である。 2-a) 3次元問題の一例として矩形板の散乱問題にLocal-MoMを適用した。重み関数を放射積分の被積分関数だけでなく、電流分布計算の前処理として入射波にも適用する手法を提案し、精度が良好となる重み関数適用法を明らかにした。 2-b)局所化によって散乱体が個々に分断された場合に、まとめてMoMを適用するのではなく、個々にMoMを適用する手法を提案した。これにより計算精度を維持したまま、最大使用メモリ量を減らすことができ、所与のメモリで解ける散乱体の最大サイズを更新することに成功した。 特に2)に関する成果は将来汎用電磁界シミュレータに採用されれば大きなインパクトを与えうる。そのためにはさらなる一般化が今後の課題である。また、平成26年2月から5月にかけて汎用シミュレータを開発しているProf. Branko Kolundzija(セルビア・ベオグラード大学教授)の元へ研究遂行のため留学し、提案手法を実際のシミュレータへ組み込めるかどうかを検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
領域分割数の周波数無依存化については、3次元問題の場合には単純に周波数無依存にはできず依存性低減が確認される、ということ、Local-MoMについては、精度が良好となる重み関数適用法および分断された個別散乱体毎にMoMを適用するという方針を示している。他形状への提案手法の適用が今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究成果を踏まえ、MoMによる計算法にっいての知識を深める必要があると判断した。26年2月から5月までのセルビア留学にて、MoMの専門家であるProf. Branko Kolundzijaの元でMoMに関する高度な知識を身につけ、その後の研究に活かす。これをもとに、研究計画通り、様々な散乱体形状(曲面)への局所化手法の適用および3次元散乱体に対するPO-MoMの実現に取り組む予定である。
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Research Products
(4 results)