2013 Fiscal Year Annual Research Report
並列給電導波管スロットアレーアンテナの広帯域設計とミリ波帯での高効率実現
Project/Area Number |
13J07841
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
戸村 崇 東京工業大学, 大学院理工学研究科(工学系), 特別研究員(DC2)
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Keywords | 導波管スロットアレー / 広帯域化 / 並列給電 / ミリ波帯 |
Research Abstract |
本研究の目的はミリ波帯高利得高効率広帯域な導波管スロットアレーアンテナの実現である. 近年, 無線通信に求められる通信速度は向上しており, 帯域を広く使用できるミリ波帯が注目されている. 高速な通信速度を実現するには, アンテナには広帯域な特性が求められる, パラボラアンテナは広帯域な特性が実現できるが, 3次元筐体であるため無線機全体として大きな筐体となってしまう, スロットアレーアンテナは平面型であり, 広帯域化を実現することでコンパクトな筐体で高速な無線通信が可能となる. まず, 設計する挿入壁付きキャビティ付きスロットアレーアンテナの高速な解析手法である固有モード展開解析を検討した. 導波管断面形状が長方形に壁を挿入した構造で解析的に求められない. そこで, 2次元有限要素法により計算した数値固有モードで展開し, モーメント法と組み合わせた. その結果, 汎用有限要素法シミュレータHFSSと同等の解析結果を得た, また, 31か所の周波数特性の解析時間はHFSSの20分程度に対し, モーメント法では9~15秒と大幅に短縮された. 次に45度直線偏波スロットアレーアンテナを71~86GHz帯で広帯域設計した. 交さ偏波抑圧のために幅が細いスロットのペア構造を採用し, 厚み以外の全13パラメータを一括して遺伝的アルゴリズムで設計した. VSWR〈1.5以下の帯域は従来の7.2%から25.7%まで広帯域化された. 放射素子の固有モード解析の結果, 動作帯域内に3つの固有モードがあり, 2つの固有モードの低Q化および共振周波数の適切な配置により広帯域化されたことが分かった. 最後に16×16素子アレーを拡散接合により試作し, 設計周波数で利得32.9dBi, アンテナ効率86.6%を実現した. また利得31.5dBiかつアンテナ効率70%以上の帯域は18.4%に広帯域化された.
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(5 results)