2013 Fiscal Year Annual Research Report
マイノリティをめぐる社会変動の地理学的研究-場所の記憶の変遷から
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13J07847
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
全 ウンフィ 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マイノリティ集団 / 場所 / 日常空間 / 在日コリアン / ダイナミックス |
Research Abstract |
本年度は社金・経済的、そして言説的に構築されたマイノリティ集団とそれをめぐる人々(poople)とのかかわりにおける今日的あり様を地理学的場所概念を用いて分析する目的をもつ研究課題の1年目に当り、その目的に含わせて研究を実施した。そのなかで得られた実績を以前に提出した「研究実施計画」に照らし合わせながら簡単に記す。 計画1…現在までの研究成果の発信について 現在までの成果を『人文地理』、そして海外学会発表(ICAS8)に投稿・発表する計画であった。前者については投稿を試みたものの学術的考察が十分ではなかったため、現在アプローチを変えて再執筆中である。その点で、後者への参加は対象は異なるものの、現在までとは異なるアプローチに到達する機会となった。後者の発表はさらなる研究交流(無償招聘1件)につながり、新しいアプローチに進む契機となった。新たな研究交流の機会を増やし、その考察に励んだ。そのため研究報告が計画より密に増える結果となったが、それによって以前より進んだ考察できた。 計画2…資料収集 順調に行った。対象地(宇治市、韓国ソウル)におけるインタビュー調査を行い、とりわけ下半期は文献資料を集中的に収集・分析した。ただ、当初は集中的に行おうとした住民インタビューは公的事業が進められている対象地の状況に合わせる必要があるため随時実施している。 計画3…計画2で得られた成果の論文化 計画2で得られた成果は以下のようにまとめている。まず、現在『都市文化研究』への投稿を目当てに執筆している論文がある。そして、資料調査から得られた成果を日本地理学会(2014年3月)において報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は論文投稿という発信はできなかったものの、中核となる「場所」に対する新しいアプローチによる研究発表やそれにともなう交流の過程を通じて、博士論文にまとめる予定の本研究の柱の部分をじっくり考察することができた。資料調査から得られた知見もその考察を下支える結果となっている。その点で当初の計画のままでは進んでいないものの、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方向は、もちろん博士論文を書き上げることである。具体的には、現在執筆中の2本の論文の投稿、そして新たにまとめ、発表した(上記の計画3)内容の論文化である。日本語や英語が母語ではない人文社会科学の留学生として、研究における進捗の難しさを感じるところはあるが、尽力を尽くしたい。
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Research Products
(6 results)