Research Abstract |
本年度は主に, 研究の基礎理論の確立を目指すと同時に, 国内外での研究議論, 発表を活発に行った. より具体的には, 研究課題の基盤技術として, 主に大規模時系列データのための特徴自動抽出に関する研究を中心に取り組んだ. 本研究では, 様々なパターンを含む複雑な大規模時系列シーケンスが与えられたときに, その時系列データの中から自動的に重要な特徴を発見し, それらの情報を統計的に要約, 表現するための基盤技術を確立した. より具体的には, 提案手法は, (a)大規模時系列データの中から類似した部分シーケンスのパターンを抽出し, (b)計算量は入力データのサイズに対して線形である. さらに最も重要な点として, (c)提案手法はパラメータに依存しない. すなわち, 事前情報の付与およびパラメータのチューニングを行なうことなく, 大規模シーケンスの重要パターンの発見と特徴抽出を自動的に行なうことができる. 提案技術は, 国内外において, その有用性と汎用性を非常に高く評価され, 情報処理学会論文誌への採録や, データベースの分野における最も著名な国際会議であるACM SIGMOD2014へ採録が決定している. これらの成果は先駆的かつ実用的であり, データマイニング分野において国際的に高い評価を受けている. さらに, 上記の研究内容を含め, 本年度は積極的に外部組織との共同研究も行った. 具体的には, 海外渡航制度を利用し, 共同研究者であるChristos Faloutsos教授(カーネギーメロン大学)の元へ訪問及び短期滞在を行った. これらの共同研究において, 大規模時系列データの解析のための基礎技術基盤を確立し, その成果は情報処理学会論文誌, 電気情報通信学会論文誌, The 17th Pacific-Asia Conference on Knowledge Discovery and Data Mining (PAKDD)において採録された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画において, 初年度の目標は大規模時系列データマイニングのための基礎理論の確立, および, 国内外における研究議論と発表を活発に行うことであったが, これら関して, 順調に取り組むことができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度同様, 今後はさらに大規模時系列データのための基盤技術の確立を目指す. 今後の研究では, より実用面を重視していく予定である, より具体的には, 初年度において確立した時系列データの特徴抽出技術を発展させ, 今後は, 将来の時系列パターンの予測問題や, より複雑な振る舞いをする時系列データに対するパターンの表現技術を確立していく.
|