2014 Fiscal Year Annual Research Report
アルゼンチンにおける日系人の文芸活動とコミュニティ形成の文化史的考察
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13J07953
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
高木 佳奈 東京外国語大学, 総合国際学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 日系移民史 / 文化研究 / アルゼンチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アルゼンチンにおける日系人の文芸活動の実態を明らかにし、コミュニティが形成される過程でこれらの文芸活動が果たした機能を文化史的観点から考察することである。本年度は博士論文の内容を再検討し、アルゼンチンの帰国二世アーティスト酒井和也を中心に取り上げることとなった。酒井はアルゼンチンのみならずメキシコ、テキサスでも画家、翻訳家として活躍し、日本文化普及に大きく貢献した人物だが、これまで日本ではほとんど研究されてこなかった。彼の日本文学の翻訳と絵画表現から、日系移民史及びラテンアメリカと日本の交流史を横断する研究を行いたいと考えている。 約二ヶ月間の海外調査では、メキシコ、テキサスにて酒井に関する資料収集及び関係者へのインタビュー調査を行った。また「中南米日系移民および韓国系移民による文学に関する総合的研究」の調査に研究協力者として同行し、米国、ドミニカ共和国、ボリビアの日系及び韓国系のコミュニティを調査した。ラテンアメリカの様々な日系コミュニティを調査することで、グローバルに活躍した酒井の業績を多角的に考察することが可能となった。 酒井和也の経歴をまとめた研究ノートは、『ラテンアメリカ・カリブ研究』に掲載される予定である。海外調査や酒井の出身地佐賀県での調査で得た資料をもとに、彼の業績を画業と翻訳業の両面から整理したものであり、日系移民研究としても、海外における日本研究としても、意義のあるものだと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査地域がメキシコ、テキサスにも広がったことで資料収集に時間がかかっているが、口頭発表や研究ノートという形で定期的に成果をまとめることができ、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
テキサスの酒井夫人と連絡を取り、自宅に保管されている資料も含め、さらなる調査を行う。アルゼンチンとメキシコでは引き続き関係者へのインタビュー調査を行い、日系コミュニティだけでなく現地の文化人たちとの交流について、調査を進めたい。手始めに酒井の日本文学の翻訳について論文にまとめたいと考えている。
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Research Products
(2 results)