2013 Fiscal Year Annual Research Report
多層構造を有する金属ナノ粒子内包型光触媒の特性制御と可視光プラズモニック水素生成
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13J07957
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
田中 淳皓 近畿大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光触媒 / Auのナノ粒子 / 太陽エネルギー / 物質変換 |
Research Abstract |
本研究では、太陽光エネルギーを最大限に利用した光触媒の構築のために、金(Au)の表面プラズモン共鳴(SPR)を可視光光触媒反応への応用を目的としている。報告者はこれまでに、AuのSPR誘起型光触媒の光触媒反応を積極的に検討してきた。種々の化学反応への応用、それぞれの化学反応に適応した材料の創出を考えた。交付申請書の「研究実施計画」には「まず、Au粒子担持酸化物を調製し、SPR光触媒の種々の化学反応への応用について検討する。」と記載した。 〈具体的内容〉 6価のクロムイオン存在下における水の酸化反応による酸素生成反応に成功し、第112回触媒討論会で発表した。さらに、論文としてACS Catal. に掲載された。他方で、還元反応への適応を目指し、含塩素芳香族化合物の光触媒的脱塩素反応に成功し、第93回日本化学会年会で発表した。さらに、論文としてJ. Phys. Chem. Cに掲載された。 〈意義・重要性〉 以上の結果より、AuのSPR光触媒によって水を酸化し、酸素を得ること、また、SPRに誘起された光触媒反応によって含塩素芳香族化合物を脱塩素することができた。さらに、この研究において、可視光照射下でAu粒子が水を酸化できる能力を有することがわかり、これまでに示したプロトンの還元による水素生成反応と合わせて、水の完全分解に近づいたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
太陽光の有効利用を目的として、金(Au)の表面プラズモン共鳴(SPR)を利用した可視光誘起光触媒反応を検討した。その結果、6価クロムイオンの還元反応と水の酸化による酸素生成反応を同時に行うことに成功した。また、還元反応に注目し、AuのSPRに誘起した含塩素報告族化合物の脱塩素反応に成功し、それぞれ、ACS Catal.とJ. Phys. Chem. Cに論文が掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
申請書に記載したように、AuのSPR誘起型光触媒で可能な光触媒の多様性の検討を目指す。具体的には、1)水の分解による水素、酸素生成反応、2)アルケンの酸化反応によるエポキシドの合成を行う。また、触媒材料の調製については全可視光応答を目指し、Au粒子コア-銀、銅シェル粒子を合成し、その光触媒特性について検討する。
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Research Products
(6 results)