2013 Fiscal Year Annual Research Report
神経-グリア相互作用におけるJNKシグナルを介した高次脳機能制御メカニズムの解明
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13J08039
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山崎 世和 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | MKK7 / 神経細胞 / グリア細胞 / 精神疾患 |
Research Abstract |
神経細胞特異的mkk7欠損マウスの解析 神経細胞特異的にmkk7を欠損させたMkk7^<flox/flox> Synapsin-Cre (Mkk7^<flox/flox> Syn-Cre)マウスの表現型を、生化学的手法、神経初代培養法、組織学的手法を用いてより詳細に解析した。その結果、1) Mkk7^<flox/flox> Syn-Creマウスの脳の組織lysateを用いたWestern Blotにおいて軸索輸送系に関与するタンパク質の増加が観察されること、2) Mkk7を欠損させた大脳皮質神経初代細胞において神経突起の複雑性が低下すること 3) Mkk7^<flox/flox> Syn-Creマウスにおいて白質領域の肥大が見られること、を見いだした。このようにMkk7^<flox/flox> Syn-Creマウスが概日リズムの異常に加え、精神疾患様の異常を示すことを示唆する興味深い結果が得られた。 グリア細胞特異的mkk7欠損マウスの作出 グリア細胞の一つであるアストロサイト特異的にmkk7を欠損させるため、アストロサイトでタモキシフェン依存的にCreによる遺伝子組替えが誘導されるGLAST-CreERT2マウスと、mkk7 floxマウスを交配し、Mkk7^<flox/flox> GLAST-CreERT2マウスを作出した。GLAST-CreERT2マウスでは、導入遺伝子の発現が発生時期によって大きく変化することが知られている。よって現在、様々な時期にタモキシフェンを投与し、遺伝子が欠損される細胞種・欠損の効率について検討を行っている。 神経・グリア特異的mkk7欠損マウスの作出 神経細胞とグリア細胞の両者でmkk7を同時に欠損させるため、mkk7 floxマウス、Syn-Creマウス、GLAST-CreERT2マウスの三者の掛け合わせを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の通り神経・グリア特異的mkk7欠損マウスの作出を進行させつつ、既に作出済みであるMkk7^<flox/flox>Sym-Creマウスの解析を行い、神経細胞におけるmkk7の欠損が精神疾患様の表現型を引き起こすことを見いだした。
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Strategy for Future Research Activity |
神経細胞とグリア細胞の両者でmkk7を欠損するマウスの交配・作出を継続する。また、25年度に作出したアストロサイト特異的mkk7欠損マウス(Mkk7^<flox/flox> GLAST-CreERT2マウス)において、タモキシフェン投与の時期を検討しつつ、このマウスの解析を行う。さらに、Mkk7^<flox/flox> Syn-Creマウスを用いてプレパルス抑制試験、強制水泳試験などを行い、神経細胞におけるmkk7の欠損が、個体の行動レベルでも精神疾患様の症状を引き起こすか検討する。また、それぞれの遺伝子欠損マウスでシナプス伝達を解析するため、生化学的・電気生理学的手技の習得・応用を行う。
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Research Products
(2 results)