2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13J08098
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
廣兼 司 関西学院大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 新規多置換ジアリールエーテル合成法 / バロネオイル基 / テルガロイル基 / ルゴシンA / 全合成 |
Research Abstract |
エラジタンニン類は多置換ジアリールエーテル結合によって複雑で多様性に富んだ構造をしている。特に二量体以上のエラジタンニンに頻出し, 合成法を確立すれば合成可能なエラジタンニンの数が格段に増加する。私は, 独自に開発した合成法の汎用性を示すために, 1. バロネオイル基の構造確認, 2. テルガロイル基の構築と構造確認, 3. ルゴシンAの初の全合成の達成の3つの成果を挙げた。 1. 独自に開発した新規ジアリールエーテル合成法を用いたバロネオイル基の構築と構造確認申請書に記した新規ジアリールエーテル合成法によりバロネオイル基の骨格が構築できていることを確認するため, 既知化合物まで誘導した。 2. テルガロイル基の構築と構造確認 最も合成が難しいオルト四置換ジアリールエーテルであるテルガロイル基の骨格構築に適用できることを示した。テルガロイル基の骨格構築は, 実施計画にはなかったが, 合成できるエラジタンニンの数を増やすためには, 必要と判断して行った。この骨格の構築に初めて成功し, 本法がエラジタンニンに含まれる多置換ジアリールエーテルに一般的に適用できることを示した。 3. バロネオイル基を有するエラジタンニンであるルゴシンAの初の全合成 バロネオイル基を有するエラジタンニンであるルゴシンAの初の全合成を達成し, 本法に全合成を達成する力量があることを示した。本研究成果により, 合成できるエラジタンニンの数が格段に増加したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
合成できるエラジタンニンの数を格段に増やすことには, 成功したものの, エラジタンニンを二量化させるまでに至っていない。研究目的を達成するには, 二量化が必須であるためやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
1. モノマーエラジタンニンの大量合成法の確立 最も単純なモノマーエラジタンニンの合成法は確立したものの, スケールが小さく合成できる量が少ない。今回合成した化合物は, 今後の検討では, 合成中間体になるため大量合成法を確立する必要がある。 2. 大環状エラジタンニン, woodfordin Cの全合成 二量化方法の検討を行い, 全合成を達成する。 3. oenotherin T_1の部分構造とeugeniflorin D_2の合成 woodfordin Cの合成法に倣って2つの天然エラジタンニンを合成する。 4. 機能性分子としての能力評価 合成した化合物が包接化合物として使えることを示し, 分子マシンを合成する。
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Research Products
(4 results)