2013 Fiscal Year Annual Research Report
癌原遺伝子産物c-Mycによる新たな発癌分子機構の解明
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13J08104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松村 厚佑 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 発がん / c-Myc / ncRM |
Research Abstract |
・癌発症におけるWnt/c-Myc/As-GEF-X/GEF-Xカスケードの重要性の検討 ①GEF-XとAs-GEF-Xの直接的な関係を明らかにした これまでの解析から、長鎖ncRNA : As-GEF-XはGタンパク活性化ドメインを持つ機能未知分子GEF-Xの内在性アンチセンスRNAとして機能している可能性が考えられた。そこで、As-GEF-Xを過剰発現、または発現抑制し、GEF-Xの発現量に与える影響をウエスタンブロッティングにより検討した。HT29細胞、LS180細胞においてsiRNAを用いてc-Myc、β-CateninおよびAs-GEF-Xを発現抑制しGEF-Xのタンパク質量を定量した。その結果、c-Myc、β-cateninおよびAs-GEF-Xを発現抑制した際、GEF-Xのタンパク質量が上昇していた。 次に、As-GEF-XとGEF-XのmRNAが直接結合しているかを明らかにするために、RNA immunoprecipitiation (RIP) assayを行った。PP7タグを付加したAs-GEF-XとFLAGタグを融合したPP7コートタンパク質を細胞に共発現させ、PP7-PP7コートタンパクの結合力を利用してFLAG抗体による免疫沈降を行った。その沈降産物にGEF-Xが含まれるかqRT-PCRで検証したところ、3EF-XがAs-GEF-Xと共に免疫沈降されることを確認し、As-GEF-XとGEF-Xが結合していることを明らかにした。 ・GEF-Xによる機能的レスキュー実験 GEF-Xはc-Mycの下流で発現抑制を受けることから、癌抑制遺伝子である可能性が考えられた。そこで、マウスの皮下異種移植モデルを使って、GEF-Xの機能解析を行った。GEF-Xを強制発現させたHT29細胞をヌードマウスの皮下に移植し、造腫瘍性に与える影響を調べた。その結果、GEF-Xの強制発現によりHT29細胞の造腫瘍性は低下し、GEF-Xが癌抑制遺伝子であることが明らかとなった。さらに、c-Myc/As-GEF-X/GEF-Xカスケードの重要性を明らかにするために、c-MycとGEF-Xのダブルノックダウンが細胞増殖に与える影響を調べた。HT29細胞においてc-Mycの発現抑制は細胞の増殖抑制を引き起こした。一方でc-MycとGEF-Xを共に発現抑制するとc-Myc単独を発現掬制した場合の比べ、細胞の増殖速度の回復が見られた。これらの結果から、c-Myc/As-GEF-X/GEF-Xカスケードが生体内で機能している可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の実験計画を達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、発がんにおけるc-Myc/As-GEF-X/GEF-Xカスケードの重要性を明らかにするために機能的レスキュー実験を行っていく。
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