2013 Fiscal Year Annual Research Report
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13J08197
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 弥香子 慶應義塾大学, 社会学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | コスモポリタニズム / グローバリゼーション / グローバル資本主義 / 新自由主義 / 社会理論 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、グローバリゼーションが高度に進展した現在、グローバル資本主義はいかなる問題性や弊害を抱えているのかを明らかにしながら、その弊害に対処しうる新たな構想としてコスモポリタニズムは如何なる意義、可能性を有しているかについて、理論研究、事例研究、政策研究を通じて示すということである。 第一年度にあたる当該年度実施された研究成果は二つに大別される。第一に挙げられるのは、本研究課題が対象とする問題の枠組みを包括的、俯瞰的に提示した研究である。理論研究、事例研究、政策研究を複合的に組み合わせることで、以後各研究を詳細に発展させてゆく上で依拠することとなる本研究全体の理論枠組みを示すことができた。それに該当する成果は、「グローバル資本主義と経済的コスモポリタニズム」(『三田社会学』第18号、2013.7)および関東社会学会第8回修論フォーラム(於一橋大学、2013.6)における報告「経済的グローバリゼーションの進展とコスモポリタニズムの再興隆――新自由主義政策批判における方法論的ナショナリズムの克服」である。 第二に挙げられるのは、コスモポリタニズムに関する理論的検討である。理論研究は本研究課題における三本柱(理論研究・事例研究・政策研究)の中でも一番重要な部分であり、当該年度の研究において最も比重を置いたものであった。それに該当する成果は、論文「コスモポリタニズムの検討――グローバル化時代の新たなオルタナティブとしてのアクチュアリティと困難性」(『現代社会学理論研究』第8号、2014.4)、第86回日本社会学会(於慶磨義塾大学、2013.10)での研究報告「「底辺の競争」へ抗するためのコスモポリタニズム」であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、研究を概ね順調に進めることができ、それを幾つかの具体的成果につなげることができたため。具体的には、日本社会学理論学会の機関紙である『現代社会学理論研究』に投稿論文が掲載されたこと、そして日本社会学会や関東社会学会といった代表的な学会での研究報告を行ったことなどが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、グローバル資本主義批判、コスモポリタニズムに関する理論研究を一層進展させると同時に、それを経験的、具体的に説明するため、事例研究、政策研究にも着手し、コスモポリタニズムは具体的な実践としていかなる可能性や困難性を有するのかについても明らかにしていきたい。
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Research Products
(4 results)