2013 Fiscal Year Annual Research Report
ペロブスカイト型酸化物における応力発光機能発現と機構解明
Project/Area Number |
13J08228
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上村 直 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 応力発光 / ペロブスカイト型酸化物 / フォトクロミズム / 蛍光 / 蓄光 |
Research Abstract |
本研究は、結晶構造一電荷移動一格子欠陥の制御によってペロブスカイト型酸化物に応力発光機能を発現させること、およびその発光機構を解明することを目的とする。 本年度は、ペロブスカイト型酸化物の応力発光機能発現に力点を置いて研究を進め、以下の成果を得た。 1) Sm^<3+>イオンを添加したペロブスカイト型酸化物の応力発光 ペロブスカイト型化合物SrSnO_3に発光中心イオンとしてSm^<3+>イオンを添加することで、応力発光機能を発現させることに成功した。さらにSr_3SnO_3 : Sm^<3+>の結晶構造を厳密に制御することで、層状ペロプスカイト化合物Sr_3Sn_2O_7 : Sm^<3+>を合成し、応力発光強度を3桁以上向上させることに成功した。蛍光特性や吸光特性、構造物性を詳細に整理した結果、層状ペロプスカイト化合物Sr_3Sn_2O_7 : Sm^<3+>ではSm^<3+>イオン周りの局可構造が変化し、Sm^<3+>_O_<-2>間で電荷移動状態が形成されていることが明らかとなり、この電荷移動状態が苑力発光に重要な役割を果たしていることを提案した。 2) Eu^<3+>イオンを添加した層状ペロブスカイト型酸化物のフォトクロミズム 1)で得られた知見を基に、Eu^<3+>-O_<2->間の電荷移動に注目した結果、層状ペロブスカイト化合物Sr_2SnO_4 : Eu^<3+>がフォトクロミズムを示すことを見出したeさらに試料の焼成温度を上昇させることでSr_2SnO_4 : Eu^<3+>のフォトクロミック特性が著しく向上することを見出した。焼成温度の上昇に伴って結晶内のストロンチウム空孔や酸素空孔濃度が増加していくことが明らかとなり、Sr_2SnO_4 : Eu^<3+>のフォトクロミズムが結晶内の格子欠陥と密接な関係にあることを提案した。 3) Nd^<3+>イオンを添加した層状ペロブスカイト型酸化物の近赤外応力発光 1)や2)で得られた知見を基に、ペロブスカイト型化合物にNdS+の添加を試みた結果層状ペロブスカイト化合物Sr_3Sn_2O_7 : Nd^<3+>が近赤外領域で応力発光および蛍光・蓄光を示すことを世界で初めて発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(9 results)