2013 Fiscal Year Annual Research Report
UAP56ならびにURH49による複合体形成基盤と選択的mRNA輸送機構の解明
Project/Area Number |
13J08335
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 賢一 京都大学, 生命科学科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | mRNA核外輸送 / UAP56 / URH49 / 複合体形成の差異 |
Research Abstract |
25年度は、UAP56とその相同遺伝子URH49による『TREXならびにAREX複合体の形成機構』を明らかにするために、複合体形成の差異を制御するUM56とURH49の蛋白質領域の同定を試みた。両者で異なる領域を入れ替えたUAP56ならびにURH49キメラ変異体を作成し、免疫沈降法により複合体形成能を検証することで、入れ替えた領域の重要性を判定した。UAP56とURH49で異なる配列は主にN末端とC末端に集中している。しかし、これまでの解析結果から、これらの末端領域は複合体形成を制御しないと分かった。そこで両末端領域を除いたコア(中心部)領域内で異なるアミノ酸を入れ替えた点変異体を網羅的に作成し、複合体形成能を解析した。 その結果、驚くべき事に、相同性の高いコア領域の1アミノ酸が複合体形成能制御に重要であることが明らかになった。 次にこれらの変異体の選択的mRNA輸送能をRNA-FISH法により、UAP56またはURH49のKDにより生じるPoly (A)^+ RNAの核内蓄積が変異体発現時に回復するかを指標に解析した。その結果、複合体形成能が逆転した変異体は選択的mRNA輸送能も逆転した。つまりUAP56とURH49の複合体形成の違いが両者のmRNA選択性を決定することが示唆された。 現在、コアミノ酸変異による両者の複合体形成能の制御機構を解明するため、UAP56とURH49、ならびに変異体の結晶構造解析を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度の研究成果より選択的mRNA核外輸送に機能するUAP56とその相同遺伝子であるURH49の複合体形成能制御に重要なアミノ酸を同定した。加えてUAP56とURH49の複合体形成の違いが両者のmRNA選択性に重要であることが明らかになった。加えて結晶構造解析による分子基盤の解析についても条件検討が進んでいることから、本研究は概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きUAP56とURH49、ならびにその変異体の結晶構造を解析することにより、複合体形成の分子基盤を分子レベルで明らかにする。加えてどのようにTREXならびにAREX複合体が選択的にmRNAを認識するのか、複合体の構成因子の機能解析と、選択的RNA認識に必要なRNA配列の探索を行う。
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Research Products
(2 results)