2014 Fiscal Year Annual Research Report
UAP56ならびにURH49による複合体形成基盤と選択的mRNA輸送機構の解明
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13J08335
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 賢一 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | mRNA export / UAP56 / URH49 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度は、UAP56とその相同遺伝子URH49による『TREXならびにAREX複合体の選択的mRNA輸送機構』を明らかにするために①複合体形成差異を制御する蛋白質領域の同定と、②各蛋白質の構造解析、③UAP56ならびにURH49が結合する特異的RNA配列の探索を試みた。 ①両者で異なる領域を入れ替えたキメラ変異体を作成し、免疫沈降法により複合体形成能を検証することで、入れ替えた領域の重要性を判定した。これまでの解析結果から両末端領域を除いたコア領域のUAP56 224VとURH49 223Cに加えて他のアミノ酸が複合体形成を制御することが示唆された。そこで本年度はUAP56 224VとURH49 223C の重要性を明らかにするため、UAP56 Nコア変異体の224CをVに置換した変異体を作製し解析した。その結果、この変異体はUAP56型の複合体形成能を示した。つまり複合体形成差異の制御機構においてUAP56 224VとURH49 223Cが特に重要であることが判明した。 ②複合体形成能が異なることからUAP56とURH49は異なる構造をもつと考えられる。またUAP56とURH49の複合体形成を制御するアミノ酸配列は、この構造の違いを制御することが予想される。そこでUAP56とURH49、ならびに複合体形成能が変化したUAP56とURH49の変異体の結晶構造解析を行うことで上記の仮説の検証を試みた。現在、各組換え蛋白質の精製及び結晶化に成功しており今後X線による構造解析を行う。 ③UAP56ならびにURH49が結合する特異的RNA配列の探索方法としてPAR-CLIP法による解析を行っている。本年度の研究結果から、精製度は低いもののFlag-UAP56とURH49に結合するRNAの検出に成功している。今後、実験条件を最適化することで両者が結合する特異的RNA配列の同定を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において、複合体形成能を指標とした変異体解析により選択的 mRNA 輸送に機能する UAP56 とその相同遺伝子URH49 の複合体形成制御に重要なアミノ酸配列を同定した。また様々な構造解析法によりUAP56とURH49の構造が異なること、加えて複合体制御領域を入れ替えたUAP56/URH49変異体は構造に変化が生じることを観察した。これらの研究結果はUAP56とURH49の構造差異が複合体形成の違いを規定することを示唆している。 UAP56ならびにURH49の結晶構造解析や相互作用因子の同定、結合するRNA配列の同定について順調に進展しており、期待通り研究が進展したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
UAP56とURH49、ならびに複合体形成能が変化した変異体の結晶構造解析を進めることで、各因子の構造差異が複合体形成の違いを規定することを分子レベルで解析する。 さらにUAP56ならびにURH49が結合する特異的RNA配列をPAR-CLIP法を用いて解析することで両者の選択的mRNA認識機構を明らかにする。加えて両者の相互作用因子を網羅的に解析することにより、未だ十分な知見がないAREX複合体によるmRNA輸送機構について解析を進める。
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Research Products
(5 results)