2015 Fiscal Year Annual Research Report
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13J08353
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊崎 薫 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | タンパク質膜組み込み / YidC / X線結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、タンパク質膜組み込み機構の構造基盤の解明のため、YidCの立体構造情報に基づいた機能解析を進めることを目指している。前年度までの研究から、YidCが分子内部に親水的なアミノ酸残基を多く含んだ溝をもち、その溝を介して基質タンパク質と相互作用することが明らかとなった。しかし、YidCの基質認識機構や、タンパク質膜組み込み機構のダイナミクスは不明のままであった。そこで本年度は、YidCとその基質タンパク質との複合体のX線結晶構造解析を行い、それらを明らかにすることを目指した。 YidCのC末端に基質タンパク質を融合させ、YidC-基質タンパク質の融合タンパク質として構造解析を行うことを試みた。アフィニティの低い二つのタンパク質の複合体の構造解析を行う際に、両者をリンカーを介して融合し、両者が相互作用しやすくするという手法は、有効な戦略の一つである(Kang et al., Nature, 2015)。基質タンパク質を融合させた際のトポロジーを考慮し、適したトポロジーをもつMscLを基質タンパク質として使用した。 YidC-MscLの融合タンパク質を大腸菌に過剰発現させ、界面活性剤ドデシルマルトシドにより可溶化し、Niアフィニティークロマトグラフィー、プロテアーゼによるHisタグの切断、ゲルろ過クロマトグラフィーという過程により精製した。精製タンパク質に対し、脂質キュービック相法による結晶化スクリーニングを行ったところ、結晶が得られ、大型放射光施設SPring-8にてX線回折実験を行ったところ、最大分解能7.0Åの回折データを得ることができた。しかし、得られた分解能のデータでの構造解析は非常に困難であり、得られたモデルの構造精密化を十分に行うことはできなかった。現在は、さらに高分解能のデータ取得を目指し、結晶化コンストラクトの最適化や結晶化条件の最適化を行っている。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Crystal Structures of SecYEG in Lipidic Cubic Phase Elucidate a Precise Resting and a Peptide-Bound State.2015
Author(s)
Tanaka, Y., Sugano, Y., Takemoto, M., Mori, T., Furukawa, A., Kusakizako, T., Kumazaki, K., Kashima, A., Ishitani, R., Sugita, Y., Nureki, O., Tsukazaki, T.
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 13
Pages: 1561-1568
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] A hydrophilic microenvironment required for the channel-independent insertase function of YidC2015
Author(s)
Shimokawa-Chiba, N., Kumazaki, K., Tsukazaki, T., Nureki, O., Ito, K., Chiba, S.
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Journal Title
Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A.
Volume: 112
Pages: 5063-5068
DOI
Peer Reviewed