2014 Fiscal Year Annual Research Report
多次元多変量レーザ計測による乱流予混合火炎の構造解明とモデル化
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13J08425
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
城地 文音 東京工業大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 乱流燃焼 / レーザ計測 / 予混合火炎 / 複合計測 / 熱工学 / 流体工学 / エネルギー効率化 / 乱流モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,複数化学種濃度と流体速度の時系列レーザ計測法により構築された世界最先端の多次元多変量レーザ計測法を,実用燃焼器を模擬した各種燃焼器に適用し,高圧・高レイノルズ数乱流予混合火炎の構造を解明するとともに,得られた知見に基づいて種々の燃焼場に適用可能なLarge Eddy SimulationのためのSGS燃焼モデルを構築・検証することを目的としている. 平成26年度は,これまでに開発した二次元平面内において局所火炎構造と乱流特性の動的特性の検討が可能な多次元多変量レーザ計測法を用いて算出した,乱流噴流予混合火炎先端部に形成される微細未燃予混合気塊の局所消費速度が,等価半径の減少と共に最大で層流燃焼速度の約3倍にまで達することを明らかにした.さらに理論的な考察から周囲の既燃ガスからの加熱効果と乱流運動による歪み効果が消費速度を支配することを明らかにし,噴流火炎先端部における微細未燃予混合気塊の形成とその高速消費が乱流燃焼速度の増大機構である可能性を示した. また,航空機用ガスタービン燃焼器を模擬したスワール型乱流燃焼器を対象として,燃料噴霧をトレーサー粒子とした時系列PIVと圧力及びラジカル自発光の同時計測を行い,燃焼器の固有音響モードによる圧力振動とらせん状の大規模渦構造の発生に関係する流体力学的な不安定モードが燃焼器内に混在することを明らかにした.また流量及び出力を系統的に変化させた計測結果の解析から,低当量比条件では流体力学的不安定性による大規模渦構造が支配的であるが,当量比の増加とともに大規模渦構造はその一貫性を失い,高当量比条件では音響モードへと支配モードが移行することを明らかにした. さらに現有する定容容器型燃焼器内に形成される,層流伝播火炎を対象に高時間分解能CHラジカル自発光計測を行い,高圧条件下におけるメタン・空気予混合火炎の伝播特性を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,開発した多次元多変量時系列レーザ計測法を用いて,高レイノルズ数乱流条件下における乱流予混合火炎の動的特性を検討することができた.広範な条件において高い精度を有するSGS燃焼モデルの構築には高圧条件下における乱流予混合火炎を対象とした実験計測が必要不可欠であるが,これは現在順調に遂行されている.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き定容容器型乱流燃焼器に多次元多変量時系列レーザ計測法を適用することにより,高圧力条件下で形成される乱流予混合火炎の計測を行い,乱流予混合火炎のフラクタル特性等,大域的火炎構造の動的特性及びそれらの圧力依存性を明らかにすることに重点をおいて研究を行う.
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Research Products
(4 results)