2013 Fiscal Year Annual Research Report
セミインタクト細胞による、ERGICでのプロインスリン逆行輸送の定量的可視化解析
Project/Area Number |
13J08506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 太一 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ERGIC / 小胞体関連分解 / セミインタクト細胞 / プロインスリン / 可視化 |
Research Abstract |
1、MIN6細胞におけるセミインタクト化の条件検討 インスリン分泌細胞であるMIN6細胞に対して、連鎖球菌由来の毒素であるストレプトリジン0を作用させ、細胞膜特異的に孔をあける条件(濃度や作用時間など)を検討した。その結果、ストレプトリジン0による細胞毒性を最低限に抑え、かつ90%以上のMIN6細胞を再現性よくセミインタクト化することに成功した。セミインタクト化は本研究における最も重要な項目であるため、その最適条件を同定することができたのは本研究を推進するにあたり非常に意義がある。 2、プロインスリンのC末端に融合させるtagの選択 はじめに1-ERGICに凝集しているユビキチン化タンパク質がプロインスリンであることを示唆する更なる実験結果(1-ERGICに外来性ユビキチンとプロインスリンが共局在している、1-ERGICに凝集しているプロインスリンがユビキチン化様修飾を受けているなど)を得ることに成功した。さらに、1-ERGICにおけるプロインスリンの逆行輸送を可視化するため、現在C末端にtagを融合させたプロインスリン-tag (HA、HisあるいはFLAG)コンストラクトを作製中である。 3、RFP-ERGIC53 (RFP-p58の代用)コンストラクトの作製 L-ERGICを可視化するため、赤色蛍光タンパク質(RFP)を融合させた1-ERGICのマーカーであるERGIC53 (RFP-ERGIC53)コンストラクトを作製しようと試みている。現在、マウスの脳cDNAライブラリーからERGIC53cDNAを増幅させることができなかったが、次にマウスの精巣cDNAライブラリーからERGIC53cDNAを増幅することを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MIN6細胞のセミインタクト化の条件検討に関して、予定よりも時間がかかってしまったため、いくつかの実験(交付申請書に記載した「研究の目的」における項目②および③)に関して若干の遅延が生じている。しかし、再現性の高いセミインタクト化条件を同定できたため、それを利用した実験(交付申請書に記載した「研究の目的」にわける項目④、⑤および⑥)を効率よく推進することができると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、プロインスリン-tagコンストラクトを作製し、MIN6細胞内で発現させ1-ERGICに凝集していることを確認することが優先項目である。その後、セミインタクトMIN6細胞において1-ERGICにおけるプロインスリン-tagの凝集キネティクスを、蛍光強度を指標に作成することを目標とする。
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