2014 Fiscal Year Annual Research Report
シェリング芸術哲学研究-構想力の影響作用史と作品分析の観点から
Project/Area Number |
13J08587
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八幡 さくら 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / ドイツ / チューリッヒ / 資料調査 / ドレスデン絵画館 / シェリング芸術哲学 / 作品分析 / 概念史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、国内外でシェリング芸術哲学に関する文献調査と研究者との意見交換を行い、それらをもとに学会発表を行った。具体的には、10月から翌年2月までスイス・チューリッヒ大学に滞在し、美術史学科教授T・ヴェッディゲン氏と18世紀末のドレスデン絵画館における展示状況や、シェリングとA・W・シュレーゲルの芸術観について意見交換を行い、ドレスデン絵画館やミュンヘンの造形芸術アカデミーに関する資料を中央図書館や大学図書館で収集した。また、ドイツ・ミュンヘンのアルテ・ピナコテーク等の美術館でも上述の絵画館と造形芸術アカデミーに関する資料調査を行い、芸術哲学の作品分析の根拠となっているシェリングの芸術体験の実証に必要な資料を収集した。研究発表としては、中国・大連理工大学での第5回東アジア応用倫理・応用哲学国際会議において発表を行い、シェリングの風景画論の作品分析への応用可能性を検討した。大会中、神戸大学、大連理工大学、台湾国立大学、韓国・慶熙大学からの参加者とアジア諸国での哲学研究について意見を交換した。第56回シェリング・ゼミナールの書評会では代表質問者を務め、悲劇論に関わるシェリング初期哲学や同時代人に共通の悲劇観などについて議論を交わした。さらに第5回美学会東部会例会でシェリング悲劇論について発表した。本発表は『オイディプス王』解釈に主眼を置き、シェリングの悲劇論を人間的自由の承認論として解釈しうることを示した。質疑応答では自由概念とスピノザ主義との関係やアリストテレス悲劇論における必然性について議論を深めた。 以上の文献調査と研究発表を通して、シェリングと同時代の哲学者との思想的影響関係を調査し、シェリング芸術哲学の構想力の概念史研究を推し進め、収集した資料や文献をもとにシェリング芸術哲学の作品分析の妥当性について具体的事例とともに検討することができた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)