2015 Fiscal Year Annual Research Report
シェリング芸術哲学研究-構想力の影響作用史と作品分析の観点から
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13J08587
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八幡 さくら 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2015-04-24 – 2016-03-31
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Keywords | シェリング / ドイツ観念論 / 芸術哲学 / 構想力 / カント / ロマン主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、シェリング哲学における構想力概念の影響作用史をカント批判哲学との比較から検討し、理論と作品分析の両面からシェリング芸術哲学研究を進めた。 平成27年9月17~19日にカナダのセント・ジョンズのメモリアル大学で開催された、第4回北アメリカシェリング協会大会に、N・スタイガーワルド教授の発表に対するコメンテーターとして参加した。会議開催中、北アメリカを中心に世界各国からの参加者と、シェリング研究に関して積極的に情報交換を行った。翌年3月19日には、一橋大学で開催された『ニュクス』第二号特集「ドイツ観念論と理性の復権」合評会において、評者の一人として参加・発表した。 学術論文としては、日本哲学会『哲學』に「シェリング芸術哲学の構想力―図式と象徴の関係から見たカントの変容」が採用された。本論文は、カント批判哲学から受容した構想力概念を、シェリングが芸術において働く創造性として展開させたということを、両者の比較研究によって論証した。これによって、シェリング芸術哲学における構想力概念の影響作用史の重要な部分を明確化することができた。次に、美学会『美学』に「シェリング悲劇論における『オイディプス王』解釈に見る人間的自由の承認―『独断主義と批判主義に関する哲学的書簡』から『芸術の哲学』への展開」が採用された。本論文は、シェリングの悲劇論を、『独断主義と批判主義に関する哲学的書簡』と『芸術の哲学』の両著作から検証し、シェリングによるソフォクレス『オイディプス王』解釈を検証した。さらに、東京大学美学芸術学研究室紀要『美学芸術学研究』に「シェリング『芸術の哲学』における具体的側面の考察―ドレスデン絵画館の展示とコレッジョ評価の変遷」を投稿中である。本論文では、シェリングのドレスデン絵画館での絵画鑑賞体験を当時の作品展示状況から再構成し、シュレーゲル兄弟による作品分析と比較検討した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)