2013 Fiscal Year Annual Research Report
性行動に関わるGnRHペプチドニューロンが中枢神経回路に及ぼす作用の生理学的研究
Project/Area Number |
13J08601
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬谷 千恵 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | GnRH / 視覚 / 電気生理学 |
Research Abstract |
動物の知覚や行動は生殖状態に依存して柔軟に調節されるが、その機構には未解明の部分が多い。終神経GnRH (Gonadotropin Releasing Hormone : 生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン)ニューロンは脊椎動物において生殖状態を感知し、性行動の動機付けを調節することが示唆されている一方、視覚中枢の視蓋に密に軸索を投射している。以上より、生殖状態が終神経GnRHニューロンを介して視蓋に伝わることで生殖状態と視覚情報が統合されるという仮説をたてた。そしてこの仮説を検証するため、視神経―視蓋神経細胞間における終神経GnRHニューロンの作用を解析する計画を立てた。本年度の成果として、1、視蓋神経細胞集団の応答を記録するために、魚類脳スライスの集合電位記録の実験系を確立した。この集合電位記録法を用いることにより、2、終神経GnRHニューロンが放出するGnRHペプチドが興奮性後シナプス電位の半値幅の増大、潜時の遅れを引き起こすこと、3、GnRHペプチドによる視神経―視蓋神経細胞間のシナプス電位への調節が前シナプス細胞のみに作用するのではなく、後シナプス細胞か、両方のシナプス細胞に作用する可能性が示唆された。網膜と視蓋には空間的な対応関係が有ることが報告されており、視蓋神経細胞の集団としての応答は、視覚回路を解析する上で重要である。本研究は集合電位記録法を用いて、細胞集団の応答を解析しており、生殖状態と視覚情報を統合する機構の解明につながると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞集団の応答の記録方法を集合電位記録法にしたことで、新しい知見が得られたとともに、トランスジェニックメダカの作製もほぼ順調に進行している為。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、GnRHペプチドがどちらのシナプス細胞に作用しているか詰めていくとともに、細胞内における調節機構について解析したいと考えている。また、トランスジェニックメダカが完成次第、外部から、GnRHニューロンの神経活動を調節し、ペプチドを放出する機構の解析を進める予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Novel Middle-Type Kenyon Cells in the Honeybee Brain Revealed by Area-Preferential Gene Expression Analysis2013
Author(s)
K Kaneko, T Ikeda, M Nagai, S Hori, C Umatani, H Tadano, A Ugajin, T Nakakoka, R K Paul, T Fujiyuki, Ki Shirai, T Kuniedal, Hideaki T, T Kubo
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed
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